2019/08/05 ニュース

トヨタがホームラリーで1-3獲得! WRC 2019 第9戦ラリー・フィンランド

WRC 2019 第9戦第69回 ネステ ラリー フィンランド 2019日時:8月1〜4日サーフェイス:グラベルSS総走行距離:300.00km(SS数23)サービスパーク:ユバスキラ 

タナックがフィンランド連覇を達成

WRC2019の第9戦ラリー・フィンランドが8月1〜4日に開催され、トヨタGAZOOレーシングのオット・タナックが昨年に続く連覇を達成した。3位には同じくトヨタのヤリ-マティ・ラトバラが入賞。今季初の表彰台を獲得している。
●表彰式で喜びを爆発させるタナック

1ヶ月半のサマーブレイクを終え、WRC2019の後半戦がスタートした。前半までで、今季のチャンピオン争いは各チームのエースドライバーでもある、S・オジェ(シトロエン)、T・ヌービル(ヒュンダイ)、タナック(トヨタ)の3人に絞られた。オジェが選手権7連覇を達成するのか。それともヌービルかタナックがそれを阻止し、自身初の王座を奪還するのか。注目の後半戦は、伝統の一戦「ラリー・フィンランド」からスタートする。
●力強い走りで他を圧倒したタナック。最終SSまで気を抜かず、ステージベストで5ポイント追加した

●毎年母国エストニアから多数押し寄せる、タナック応援団。エストニアはフィンランドとは海を挟んだ隣国ということもあり、このラリーで振られるエストニア国旗の数はシーズン随一だ

●タナックと書かれた5人組。この人たちもタナック応援団だろう
かつて1000湖ラリーとも呼ばれていたラリー・フィンランドは、森と湖のなかを駆け抜けていくシーズン屈指のハイスピードグラベルラリー。SSでのスピードは200km/hを超えることもしばしばあるくらい、平均速度の速さが特徴だ。それに加え、路面はスムーズだがクレスト(起伏)が多く、ステージ上にはジャンプスポットが連続する。速度の高さも相まって、ひとつのミスが大きなアクシデントに繋がることも多く、コースオフは即リタイヤになる可能性が高い。ドライバーのスキルが問われるラリーだ。今年もユバスキラを中心に行われるラリー・フィンランド。SS数は23で、走行距離307.58kmで争われた。地元トミ・マキネン レーシングがチーム運営し、この2年フィンランドを制しているトヨタが今回も大本命。全員フィンランド優勝経験者でもあるタナック、ラトバラ、ミークのレギュラー3人をエントリーし、金曜日のデイ2午前の段階では1-2-3体制を築いていた。
●デイ2で6本のベストタイムをマークしたラトバラ。一気に首位に踊り出るが、デイ3で同僚のタナックにかわされて、3位ポディウムフィニッシュ
なかなか調子が上がらないオジェとヌービルとは対照的に、デイ2はラトバラがトップ、ミークが2位。そしてタナックは少し遅れ4位で終えた。しかし、続く土曜日のデイ3からは先頭走者の足かせがなくなったタナックが快走。この日最初のSS12で首位に立つと、続くSS13、14とチームメイトのラトバラとトップを争うが、SS14でラトバラが痛恨のパンク。ここから、タナックが独走を開始する。最終パワーステージのSS23まで首位を守り、そのパワーステージも制したタナックが、今季3度目のフルポイント(優勝25p+パワーステージ首位5p)を獲得し、4勝目。選手権トップの座を守った。2位には2017年のウイナーでもあるラッピ(シトロエン)が入り、ラトバラは3位のポディウムフィニッシュとなった。
●フライングフィンの面目躍如。2017年のウイナーでもあるラッピは、得意の地元ラリーで2位フィニッシュ

●ヌービルは波に乗れていなかったような走りで、精彩を欠いていた。同じチームのミケルセンとブリーンの走りがよかったからか?

●オジェの速さもフライングフィンの前には及ばず。5位フィニッシュでポイントは加えたが、タナックとの差は広がってしまった
チャンピオンを争うオジェは5位、ヌービルは6位でそれぞれ完走。ポイントは獲得できたが、タナックとの差が詰められなかった。今季は残り5戦。次戦はオールターマックのドイツだ。昨季はシーズン後半にタナックが連勝を重ね快進撃を見せてくれたが、今年はどうなるだろう。ますます目が離せない状況になってきた。


ラリー・フィンランド2019 最終リザルト1. O・タナック(トヨタ)     2h30m40.3s2. E・ラッピ(シトロエン)    +25.6s3. J・ラトバラ(トヨタ)      +33.2s4. A・ミケルセン(ヒュンダイ)  +53.4s5. S・オジェ(シトロエン)    +56.1s6. T・ヌービル(ヒュンダイ)   +1m32.4s7. C・ブリーン(ヒュンダイ)   +1m38.2s8. T・スニネン(フォード)    +2m33.8s 

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新マシンに慣れながら


●豪快なドリフトでコーナーをクリアする勝田
WRC2クラスに参戦している、TGRの育成ドライバー勝田貴元はこのラリーからマシンを一新。フィエスタR5 MK2と呼ばれる新型へ乗り換えた。データが少なく、今回参戦しているのもMスポーツワークスのE・カミリーと勝田の2台のみ。セッティングも十分に出せていないなかでの走行ながら、金曜日のデイ2にはトップ5のタイムをコンスタントにマークし、クラス5位でデイ2を終えた。
●慣れない新型マシンでも順調にSSをこなしていたが、土曜日SS12最初のカーブでアクシデントが発生。リタイヤに終わった
しかし、続くデイ3のオープニングSS12で、アクシデントが起きた。ステージ最初のコーナーで、コースサイドのマーカーフラッグに接触。その裏に隠れていた大きなコンクリートに右リヤホイールをぶつけてしまい、ホイールが脱落。その場でラリー続行不可能となりリタイアしてしまった。
●勝田とコ・ドライバーのダニエル・バリット
勝田は、「自分の小さなミスがリタイアにつながり、とても残念」とコメントしている。新マシンの開発を進めながらの難しいラリーにも関わらず、SS毎に速さを見せていた勝田。次戦以降のいい結果に期待したい。
●今年に入ってさらに進化のスピードを早めている、「若武者」勝田貴元。ついに次戦はヤリスWRCでトップカテゴリーへ挑戦する!
その勝田の次戦は、なんとWRCクラスにヤリスWRCで初参戦する。ラリー・ドイッチュラントは、路面が目まぐるしく変化する難易度の高いターマックラリー。まずはマシンに慣れ、徐々に速さを見せながら完走することが大事になるだろう。ヤリスWRCに乗る勝田の姿が、ついにWRCで見られる! もちろん現行のWRカー規定では日本人初だ。待ち遠しいラリー・ドイッチュラントは、8月22〜25日だ。見逃さないようにしよう!

 <文=編集部・青山 写真=TGR/Redbull> 

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