2024/02/28 ニュース

【今夏日本にも導入】ホンダ、新型SUV「CR-V e:FCEV」を世界初披露!「水素を節約できる」燃料電池車?

北米仕様と顔が違うぞ?

ホンダは2024年2月28日、今夏に日本で発売予定の新型燃料電池車(FCEV)、「CR-V e:FCEV」を世界初公開。「H2 & FC EXPO[春]2024〜第21回[国際]水素・燃料電池展[春]〜」に展示する。同イベントは2月28日から3月1日まで、東京ビッグサイトにて開催。

日本国内におけるCR-Vは、5代目が2022年12月に販売を終了。6代目の新型は海外では発表されていたが、日本には導入されていなかった。

【画像】復活のCR-Vを写真で見る

今回日本導入が発表されたCR-V e:FCEVは、その6代目となる新型がベース。パワートレーンはフル電動タイプで、水素を燃料に発電した電気でモーターを前輪を駆動させるFCEVだ。加えて日本の自動車メーカーが発売するモデルとして初めて、外部から充電可能なプラグイン機能を併せ持つ。


●日本仕様(プロトタイプ)

つまり、FCEVが持つ長い航続距離と水素充填時間の短さ(約3分)といった特徴はそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで利便性を高めたモデルだ。CR-V e:FCEVの水素を使って走れる一充填走行距離は600km以上、充電によるEV走行可能距離は60km以上になる見込み。

日常では外部充電による電気で走らせ、遠出するときは水素による発電でロングランも…という考え方だ。水素ステーションは2023年12月時点で全国161箇所。まだまだ整備が必要であり、近所に水素ステーションがなくて充填するが手間という人には自宅などで充電できるメリットはありそう(となると水素の使用拡大には貢献できなさそうではあるが)。

さて、今回搭載される燃料電池システムは、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発。両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing Center(米国オハイオ州)で生産、日本に輸出される。

この燃料電池システムは、クラリティ フューエルセルに搭載していたものと比較して白金使用量の削減やセル数の削減、量産効果などでコストを3分の1にするとともに、耐久性は2倍に向上させ、耐低温性も大幅にアップしているという。

また、燃料電池システム搭載にあたってフロント周りのデザインを変更、全長は110mm延長されて4805mmに達する。これは、トヨタRAV4よりも200mm程度長いサイズだ。



■CR-V e:FCEVのボディサイズ:全長4805mm×全幅1865mm×全高1690 ホイールベース2700mm

また、水素タンク搭載にあたってパッケージングも特徴的。水素タンクは後席座面下に1個、荷室に1個と合計2個搭載。荷室側の張り出しを積極的に活用するフレキシブルボードを採用し、フラットで広いラゲッジスペースと荷物の整理がしやすい2段式の荷室としている。



充給電機能も進化。AC充給電コネクターは、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用。家庭のACコンセントに接続して、気軽に車両の充電が行える。また、普通充電ポートにAC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を接続することで、最大1500WのAC給電が可能な外部給電機能も装備。停電時やアウトドアなどのレジャーにおいて電源として活用できる。



さらに、日本仕様では荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに「Power Exporter e:6000」、「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続することで、非常時や屋外イベントなどへ高出力の電力供給が可能なDC外部給電機能も装備している。ただ、この機能を使っている最中はバックドアを閉めることはできない。



なお、CR-V e:FCEVは日本に加え米国での発売も予定。価格は未公開だが、かなりのお値段になりそう。

北米にはハイブリッド(e:HEV)搭載モデルも導入されている。なぜ日本には「e:FCEVのみの導入なのか?」とホンダに聞くと、「お客様の要望をお聞きし、検討してまいります」とのことだった。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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