2024/02/26 イベント

SUVやミニバンで「もっとキャンプ」…頭上に空間広がるポップアップテントという理想形

ポップアップテントで広がるクルマ遊び

屋外開催としては首都圏最大級の、都市型キャンピングカー展示&商談会「お台場キャンピングカーフェア2023」(開催日は2023年12月2〜3日)。コンパクトな軽キャンパーから1ボックス車をベースにしたバンコン、キャンピングカーの王道キャブコン、輸入車、トレーラーまで、約150台が東京・お台場の特設会場に大集結した。

■都市部での人気は「1台2役」のデイリーユースキャンパー

今回注目したのは、ふだん使いとレジャーを両立できる「1台2役」のデイリーユースキャンパー。SUVやミニバンをベースにしながら、フラットなベッドとサブバッテリーなどの電装系が備わり、車中泊や趣味の相棒に使えるクルマだ。

そのパイオニア的存在が、悪路走破性に優れる3列シートのミニバン、デリカD:5をベースにした「デリカD:5 D:POP」と、最大で一般家庭で消費する約12日分の電力を供給できる大容量バッテリーを搭載するアウトランダーPHEVをベースにした「アウトランダーPHEV E:POP」の2台。製造と販売はMDFエクイップメントが行い、問い合わせは西尾張三菱自動車販売で受け付けている。


デリカD:5 D:POP


アウトランダーPHEV E:POP

両車の特徴はルーフの上にポップアップテントを架装していること。床とテント、屋根で構成され、屋根を持ち上げると折り畳まれたテントが展開する仕組みだ。ベース車のルーフをカットする必要があるため架装は大がかりになるものの、車両とポップアップテントの一体感や、車内から直接テントにアクセスできるなど、メリットは計り知れない。

流行りのルーフトップテントは手軽ではあるものの、ルーフラックを介して取り付けるために全高が高くなるのがデメリット。「高さ」が引っ掛かり機械式立体駐車場の利用が制限されるだけでなく、車外からラダーを使ってテントにアクセスするので、雨の日や夜間にラダーを昇り降りするのが面倒になる。

■行動範囲が広がるPHEVとポップアップテントの組み合わせ

「アウトランダーPHEV E:POP」はルーフを閉じた状態の全高をベース車比+175㎜の1920㎜に抑えている。ポップアップテントの内部は長さ1830×幅1m弱で、大人2人が横になれる広さ。テントはクローズ・メッシュ・オープンの3通りに展開でき、オープンにして星空観測や花火見物をしたり、メッシュにして涼んだりと、さまざまなスタイルで「車上生活」を楽しめる。







セカンド/サードシートを倒した状態(3列シートの場合)でセットするオプションのベッドキット「E:BEDⅡ」を追加すれば、ポップアップテントを展開せずに車中泊できる。段差をなくして水平にするためのかさ上げフレームとベッドマット3枚で構成され、使わない時は荷室にコンパクトにまとめられる。価格は5人乗り/7人乗り用ともに15万4000円で、MDFのホームページから購入できる。



土台のフレームは工具不要で組み立てられ、ベッドマットの下には充電ケーブルなどを収納できる。サイズは長さ1820×幅1340~1100㎜、マットから天井までの高さは710㎜。「ポップアップテントまでは要らないけれど、フラットなベッドで快適に車中泊したい」というアウトランダーPHEVオーナーにはぜひオススメしたいアイテムだ。

■「ミニバンでファミキャン」を叶える、屋根が開くデリカD:5

「デリカD:5の屋根にテントを」。そのユニークな発想をカタチにしたのが、デリカD:5のポップアップ仕様「D:POP」だ。デリカD:5の堅牢ボディの源であるリブボーンフレームを避けながら、テントへのアクセス口をサードシート上に設置。こちらも立体駐車場への乗り入れを考慮し、ルーフを閉じた状態の全高を1990㎜(ベース車の全高は1875㎜)に抑えている。





ポップアップテントの構造にもこだわりが。重心が高くなるのを防ぐ、FRPの軽量ルーフはダンパーヒンジンの作用で軽く持ち上がり、テント生地は張ったときのシルエットが美しく、耐候性に優れるネオプレンを採用。クローズ、オープン、メッシュの3パターンに展開でき、テント内のスペースは長さ1800×幅1160㎜。オプションのベッド板を使うと長さは2180㎜に拡大する。



テント内だけで大人2人が快適に就寝できるが、車中泊性能を高める各種アイテムをMDFでは設計・開発・製造している。D:POPのオプションとして設定されているのが、「D:BEDⅡ/D:BED」。セカンド+サードシートフルフラットモードで使用するベッドで、未使用時はフレームとマットをコンパクトに収納できる。価格はD:BEDⅡが14万8500円、D:BEDが13万2000円。D:POPのポップアップテントと併用すれば、最大で大人4人が就寝可能となり、ファミリーキャンプやクルマ旅を快適に楽しめる。



■デリカD:5の車中泊性能を高めるオリジナルアイテムの数々

MDFではデリカD:5の車中泊ニーズに応えるアイテムを数多くラインアップしている。そのひとつが運転席/助手席の回転シート(ノーマルシート:11万円、運転席パワーシート:11万5500円)。運転席と助手席を180度回転でき、セカンドシートとの対面が可能になる。ダイネットテーブル(2万2200円)を使うと、テーブルを囲んでくつろげるリビングに変身する。



ウォークスルーキット(1万7600円)は、基準車のコンソールボックスと置き換えることでセンタースペースを確保し、前列から後方に移動しやすくするアイテムで、AC100Vコンセントも移設可能。パワーバックドアスイッチ(2万1285円)は、車内からバックドアを開けられるスイッチで、キャンプや車中泊の利便性を高めてくれる。



■クーラーやFFヒーターも設置できる

お台場キャンピングカーフェアに展示されたD:POPのデモカーには、バックドアの内側に車内換気を行うベンチレーター、DC12Vで動かす車載クーラー「D:Cooler(33万円)」、FFヒーター(27万5000円)が装着されていた。コンパクトな室内機をリヤクォーターガラスのスペースに収めて、室外機は助手席の床下に設置。



FFヒーターはエンジンを止めた状態で使える暖房器具で、クルマの燃料タンクから軽油をバイパスさせて、ヒーター内で燃焼させて温風を作り出す仕組み。このヒーター本体も車両後端の床下に収めていて、クーラーの電源になるリチウムイオンバッテリーも床下に設置。重量物を車外床下に置くことで重心を下げて、車内スペースも犠牲にしない、MDFのこだわりが表れている。



■内装のカスタマイズアイテムも充実

カスタマイズアイテムでは、アニマルフットデザインのオリジナルフロアマット(7人乗り用/8人乗り用各6万6000円)、スライドドア左右ステップに取り付けるアルミチェッカープレートステップカバー(ブラック塗装仕様、サテンフィニッシュシルバー各1万6500円。デリカD:5後期モデル専用)、フットレスト(運転席用1万7600円、助手席用2万6400円)をラインアップ。



■トライトンのカスタマイズもスタンバイ

アウトランダーPHEV E:POPやデリカD:5 D:POPなど新車コンプリート販売はこれまで西尾張三菱自動車販売で展開してきたが、より幅広いカスタムニーズに応えるためにアフターパーツの設計・製造・販売も含めてブランドを再構築。新ブランド「MDF」として、これまで以上に三菱車のカスタムに精力的に取り組んでいく。

その第一弾は2024年2月に発売を開始したピックアップトラック、トライトンになる予定だ。MDFらしく独創的なアイテムを計画しているとのことなので期待したい。ちなみに、コンプリート車に関する問い合わせはこれまで通り西尾張三菱自動車販売まで。

■製造・販売元
株式会社GMD
MDF EQUIPMENT
0586-45-6855
https://nmitsubishi.base.shop/

■問い合わせ先
西尾張三菱自動車販売
0586-45-2521
www.sun-auto.jp/mb/

<文=湯目由明 写真=秋元 栄二郎>

ドライバーWeb編集部

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