2023/10/27 コラム

電動化を前にやるべきこと マツダ ロードスターの開発主査に聞く【ジャパンモビリティショー2023】

●デイタイムランニングランプのデザインを変更し前後ライトをフルLED化



齋藤「今回では、マツダコネクトのディスプレイ。助手席エアバッグの展開範囲と干渉しちゃうので、左側は1㎜たりとも拡げられません。じつは右側もそうで、こっちには下にエアコンのダクトがあるので。インパネ(アッパー部)のデザインはほとんど変わっていませんが、裏側は、配線のレイアウトを含めて僕らのロードスター(従来型)とはぜんぜん違います」


●7インチから8.8インチに拡大。「まだ小さい」って? いえいえ

― 今回はホイールのデザインも変わっていて。16インチ(ソフトトップ)のほうは、写真じゃほぼ同じように見えましたが、実物はけっこう違っていて。

齋藤「いいでしょ。スポークを、より直線を強調したデザインにしています」

― 従来型より軽くなっているんですか?

齋藤「16インチは0.03㎏くらい。つまり、ほぼ同じ。現状維持です。17インチ(RF)のほうもデザインを新しくしましたが、こっちは重くしています。音(ロードノイズ)を静かにしてほしいという声があって。それに応えたかたちです」

― それは、ノイズリダクション的な要素を取り入れたからということでしょうか?

齋藤「そうですね。デザイン要素のほかにも。ただ、ロードノイズについては、16インチでは気になるという声はほとんど聞かれないんですよ」

― 今回は1.5LエンジンのパワーアップやDSCの「トラックモード」追加など運動性能にも手を加えてきましたが、なかでも新開発のアシンメトリックLSD。これも齋藤さんが中心になって導入を決められたのですか?

齋藤「あれは梅津*がどうしてもやりたいと(笑)。ふだんの街なかでも、より安定感のある気持ちいい走りを感じられると思います」 *操安性能開発部首席エンジニア 梅津大輔さん

ほかにもアダプティブクルーズコントロールをはじめ、つくり手自身が「ND2と言っていい」というほど多岐にわたる改良を施した最新のロードスター。マツダ広報部によれば11月から本格的な生産が始まり、発売は24年1月中旬を予定しているとのこと。きっと最良であろう新型のステアリングを握れる日が、今から楽しみだ。


●ソフトトップ(1.5L車)用の新型16インチアルミホイール。こちらは新設された「Sレザーパッケージ Vセレクション」用


●同上の「SレザーV〜」は、かつてのVスペシャルを思わせるスポーツタン内装とベージュ幌の組み合わせ

〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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