2023/10/18 イベント

カングージャンボリーで本音を聞いた「カングーのマルとバツ」

大雨にも負けず15回目を迎えたカングージャンボリー



コロナ禍による中止やリモート開催などを経ながら、15回目を迎えた「ルノーカングージャンボリー2023」。会場の山梨県・山中湖村にある「山中湖交流プラザきらら」での開催は今回で8回目。晴れれば紅葉が始まった湖畔に雄大な富士山が拝める……はずが、前夜から降り始めた雨は、オープニングセレモニーが近づくにつれて本降りになり、会場のあちらこちらには大きな水溜りができる厳しいコンディション。それでも全国から1350台のカングーを含む1502台のクルマが来場し、歴史あるイベントを盛り上げた。



イベントMCはモータージャーナリストの竹岡 圭さんと、自身も2代目カングーオーナーで、前夜はTBSオールスター感謝祭の「赤坂五丁目ミニマラソン」に参加していた、安田大サーカスの団長安田さん。

「ルノー カングーを相棒に選んだ全国の仲間とゆる~く、楽しくつながる交流の場。こだわりの趣味や、自分らしい感性を生かした仕事、家族みんなで楽しめるアクティビティ、十人十色のライフスタイルが投影されたカングーを愛でて、眺めるイベントです」とジャンボリーの趣旨が説明された後、来場者を喜ばせるビッグサプライズが待っていた!



限定抽選200台の「ヴァリエテ」の発表に続き、ステージに現れたのは9月のドイツIAAショーでワールドプレミアを飾ったばかりの3列シートモデル「グラン カングー」。ルノー本社から、カングーなどのLCV部門を担当する上級副社長のハインツ・ユルゲン・レーヴ氏が来場し、「たくさんの人と荷物が積める待望の3列シートモデルをラインアップすることで、日本のお客様の期待に応えます」とメッセージを読み上げると、大きな拍手に包まれた。

【関連記事】限定車ヴァリエテと新型グラン カングー



カングージャンボリーのお楽しみが、バラエティに富んだフリーマーケットエリア。昨年よりも倍の駐車枠を用意したものの、フリマ参加駐車券は完売。117台の個性豊かなマーケットが出展した。カングーの利点である観音開きのバックドアを全開にした上に、雨避けのテントを展開してブースを設営していた。フリーマーケットを出展する目的はさまざまだが、「フリマを通してカングーオーナー同士で会話するきっかけになるから」という声も聞かれた。



オープニングセレモニーの後にはテレビ神奈川(TVK)の「クルマでいこう!」の公開収録が行われ、本誌でもおなじみのモータージャーナリスト、藤トモこと藤島知子氏と岡崎五朗氏がルノー カングーの魅力に迫った。イベントの模様は「ルノー カングー ジャンボリー2023SP」として11月12日に放映予定。



■伝説のレプリカホイールは新型カングーにも似合う

B3リーグのプロバスケットボールチーム「横浜エクセレンス」のサポートカーとして活躍する新型カングーが履くのは、かつてWRCで「最強のグラベルホイール」として名を馳せたO・Zのラリーレーシング。純正サイズは16×6.0Jインセット40だが、ラリーレーシングのカングー用サイズは16×7.0Jインセット35。17×7.0Jインセット38の設定もある。





また、壁画アートカンパニーのOVER ALLsが、会場でライブペイントを実施。真っ白な特製キャンバスにトリコロールと新型カングー、富士山が描かれた。



■オーナーの本音「カングーのマルとバツ」

北海道 
HIGEDANCE76さん

マル:懐深くしなやかな足まわり
バツ:消耗部品の交換サイクルが早い



初年度登録が2005年の初代カングーの限定車「シトラス」で札幌から参加した、HIGEDANCE76さん。ジャンボリーに参加するために苫小牧からフェリーで仙台に渡り、仙台から山中湖まで自走してきた。前車はアウディA4アバントだったが、子供を乗り降りさせるのに両側スライドドアのクルマが便利に感じて、「ちょっと毛色の変わったクルマ」を求めて、8年前に中古で程度のいいカングーに乗り替えた。購入時にタイミングベルトとウォーターポンプを新品に替えたものの、昨年再び交換。「距離を走らなくても経年劣化するものなので予防整備的な観点から早めに交換しました」。



限定100台のシトラスの特徴は、車名どおりのシトラスグリーンのボディカラーや、カングーのシルエットを模ったシートの刺繍など。今までの大きなトラブルはエアコンのコンプレッサーが壊れたこと。「輸入車に強い整備屋さんで、8万円ぐらいで直すことができました。正規ディーラーだとその倍は掛かります」。個体によってはクランクセンサーが対策品でなく、その取り付け方が悪くて接触不良を起こすとエンストしたり、オートマのギアが3速固定になったりといった症状も出るそう。だがそんなことには動じない寛容さを持ち、もしもの時に頼れる整備屋さんと知り合いになっておくと、長く乗り続けられるようだ。



「今まで何度か乗り替えようと思ったこともありました。ちょっと古めの商用車なので、あちこちからガタピシ音がするのはご愛敬。ちょうどいいサイズ感としなやかな足まわり、直進安定性の高さ、雪道での安定感など、些細なウィークポイントよりも長所のほうが勝っているので、愛着が沸くんですよね」。

栃木県
k.kkangooさん

マル:丸みを帯びた可愛いフォルム
バツ:ドリンクホルダーがない、後席にエアコン吹き出し口がない



「ずっとカングーが気になっていて、ふらっとディーラーに見に行ったら『来年フルモデルチェンジした新型に切り替わるので、このカタチが好みなら今が最後のチャンスですよ』と言われて、急いで買っちゃいました」と語る、オーナーのk.kkangooさん夫妻。特に奥さんは「愛嬌のある顔や丸みを帯びたフォルムが好みなんです」と、2代目カングーに惚れ込む。

夫婦の並みならぬ「カングー愛」は手作りのグッズが物語る。ラジコンは市販のラジコンシャシーに100均の材料で作ったボディを被せたもの。刺しゅう入りのトートバッグも奥さんのハンドメイドだ。



イベントの終盤には参加者の労をねぎらうかのように雲の合間から青空が現れ大団円を迎えた。エンディングの後も山中湖を周遊ドライブしたり、カングー仲間とカフェでお茶したりと、各自が楽しみながら家路についた。

〈文=湯目由明 写真=岡 拓〉

ドライバーWeb編集部

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