2023/08/23 旧車

異ボディ3タイプのコンパクトカー、マツダ ファミリアとは?[driver 1989年4-5号より]

●マツダ ファミリア アスティナ

自動車雑誌ドライバーが過去に取り上げた記事が今に蘇る「DRアーカイブズ」。今回は1989年4-5号の「マツダ ファミリア」を振り返る。

◇◇◇以下、当時原文ママ◇◇◇

ASTINAとは“磨きをかける”というフランス語を語源とする造語だ。いままでの4ドアセダンや5ドアHBのイメージを超えたところに、独創的な新カテゴリーのクルマを確立する——まったく自由な発想から生まれた4ドア・スポーティクーペ、マツダの新しい野心作、それがアスティナだ。まずは、その鮮烈な姿態から見てもらおう!

■CD=0.31を誇る「4ドアクーペ」

 “ハイクオリティ・コンパクトカー”を目指して開発された新型ファミリアは、3タイプのボディがそれぞれ個性を主張。なかでも、斬新なスタイリングを持つ5ドアの「アスティナ」は、とびっきりの個性派だ。

5ドア車というと、実用性や機能を優先するばかりにやぼったくなってしまいがちだが、アスティナは従来の5ドア車とは一線を画し、まさに「4ドアクーペ」と呼べるファッショナブルさを備えている。

全幅1675㎜、全高1335㎜のワイド&ロー・ボディは、CD=0.31の優れた空力性能を実現。リトラクタブルヘッドライトを持つ低いノーズや力強い太めのCピラー、カラードリヤスポイラーが、スポーティなイメージをさらに高めている。


●リトラクタブルヘッドライトとスモークド・レンズのスモールランプが、フロントビューをスポーティに演出している

もちろん、デザイン優先とはいっても、実用性も十分に考慮。ホイールベースの100㎜延長、全幅の30㎜拡大は、室内長、室内幅のアップという結果を生んでいる。

3ドアHB、セダンと差別化されたインテリアは、スポーティでファッショナブルなイメージ。RX-7を思わせるメータークラスターを持つインパネやドアトリムは、アスティナ専用のデザインで、シートは全車にバケットタイプが採用される。

エンジンは、B5型1カム16バルブ(91馬力/12.4kgm)、B5型DOHC16バルブ(110馬力/12.9kgm)の2つの新開発ユニットに、130馬力/14.0kgmにパワーアップしたB6型DOHC16バルブを加えた強力なラインアップ。ミッションは5速MTのほか、ホールドモード付き電子制御4速のEC-ATが設定される。

サスは伝統の4輪ストラット式。ロングホイールベースを感じさせないキビキビしたハンドリングを生むという、キャンバーコントロール機構(フロント)がアスティナのみに採用される。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING