2023/07/29 オーナーズボイス

29歳のオーナーが選んだ「面白いクルマ」クリオV6。同車を所有して得た大切なものとは?

3L・V6エンジンをリヤミッドに横置き搭載したクリオ ルノースポールV6

最初のマイカー選びの基準は人それぞれ。「中古で手軽に」、「知人から安く」という人もいれば「憧れのあのクルマを!」そんな人もいます。今回紹介するのりめんさんは最初に購入したクリオV6に約10年乗り続けているのですが、「憧れのあのクルマ」ではなく複数の選択肢のなかから選んだ1台。そこから10年後の今日までカーライフをともにしてきたそうです。

オーナー:のりめんさん(29歳)
車両:ルノー クリオ ルノースポールV6
年式:2002年式
在住:静岡県
走行距離:12万5000km(取材時)

〇:大衆ハッチバックをリヤミッドシップエンジンにした唯一無二のパッケージとエンジン音
×:試作車的で各部の完成度は低め

■買える範囲で最高の選択を



のりめんさんがこのクリオ ルノースポールV6(以下クリオV6)を購入したのは19歳の時。初のマイカーだったそうです。それまでは親御さんのクルマを運転していたそうですが、初のマイカーを選ぶ基準は「用意できる予算の範囲で最高の選択」。このクリオV6のほかにもアルファ ロメオ147GTAやルノースポール スパイダー、ロータス エリーゼ、フェアレディZ31などが候補に挙がっていたそうです。



「社会人1年間の貯金とローンで用意できる予算のなかから狙える候補を絞ったのですが、日常ユースやドライブなどさまざまな用途に使えて面白い選択を考えたんです。それで最終的にクリオV6に狙いを定めました。クローズドボディで日常性もあって、選択肢のなかで一番面白いと思いました」

そして、高校の同級生の父親が工場長を務めるフランス車専門店に個体探しを依頼。すぐには出てこないだろうと思っていたそうなのですが……。



「けっこうすぐに条件のいい個体が見つかってしまったんです(笑)。ブレーキやボンネット、ホイールにウイング、ライトといった自身がいいなと思っていた“トロフィーカップ”をイメージしたパーツに変更されていて、依頼していた人も『これは内容を見てもまともな個体だよ』ってオススメして下さったので、決めましたね。それが今乗っているクリオV6です」

■最高の選択となったクリオV6

こうして初のマイカーにクリオV6を手に入れたのりめんさん。話を聞くとさまざまなお気に入りポイントがあるようで、最高の選択となったのが感じ取れました。



「カップカーありきで作られていて、ロードバージョン的な雰囲気がとても気に入っています。また、TWR(トム ウォーキンショー レーシング)が製造していたというのも個人的には好きなポイントですね。レーシングカーと同じ場所で造られていた。この事実が何よりうれしいんです。TWRのステッカーを貼っているのもそれが理由です。ちなみに後期型となるフェイズ2だとTWR生産ではないので、見た目も含めて自分は前期型のほうが好きです」




初めから社外パーツが装着されていたのりめんさんのクリオV6。自身の手元に来てからはメンテナンスが中心となっているそうですが、自分仕様として変更したこだわりのポイントがステアリングなんだとか。

「クルマのパッケージ的にサンク ターボを思わせるというのもありますが、2本スポークのステアリングが似合う数少ないクルマだと思っています。だから2本スポークのステアリングはこだわったポイントでもありますね」



■クリオV6が生んだ縁

そんなお気に入りのクリオV6ですが、難点もあるそうです。

「やはり部品は想像以上に少ないですね。クラッチはもう純正が出ないため、ワンオフじゃないとないみたいですし、専用パーツが多い印象です。汎用パーツの多いイギリス車が羨ましいですね。でもエンジンは比較的丈夫みたいで、エンジンが壊れたって話は聞かないですね。これまでもそうですが、今後も無理をせずに走らせていきたいです」



これからもクリオV6を走らせていきたいと言っていたのりめんさん。それはクリオV6の一番のお気に入りポイントが影響しているからだろう。

「このクルマが気に入っている。というよりは、このクルマに乗って多くの人と知り合えたことが一番のお気に入りポイントだと思います。台数が少ないので名刺代わりになりましたね。みんなで集まったりして、ワイワイ話しているのが楽しいんです。このクルマがキッカケで生まれた人との縁が、このクルマを所有した何よりの財産ですね」



これからものりめんさんとクリオV6は仲間を増やして走り続けていくことでしょう。

〈文と写真=西川昇吾〉

ドライバーWeb編集部

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