2023/05/17 ニュース

ダイハツが側面衝突試験不正を解明する第三者委員会の設置を発表。組織の在り方や開発プロセスに踏み込んだ提言を実施

不正の対象となったタイ生産車のトヨタ ヤリス エイティブ

ダイハツは2023年5月15日、同社が開発を行った海外市場向け車両の側面衝突試験の認証申請における不正行為について、事案の全容解明と再発防止策の実施に向けて第三者委員会を設置したと発表した。

【画像】ヤリス エイティブの細部

ダイハツは2023年4月28日に、海外市場向け車両(4車種)の側面衝突試験において、認証する車両の前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を行っており、法規に定められた側面衝突試験において違反があったことを確認。この事案は内部通報がきっかけとなって発覚している。

今回の不正は、クルマの安全に関わる領域での不正であり、社会的に許されるものではないとの認識に立ったうえで、内部通報という形で現場が声を上げたことを重視。経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成がおろそかになるなかで、正しいクルマづくりを見失い、現場が不正行為をせざるを得ない環境となってしまった結果、不正行為を発生させたと認識しているという。

今回の事案を単にひとつの業務行為の問題で終わらせることなく、企業グループ全体の理念、行動指針に結びつけた改革となるよう、まずは全員で立ち止まって考え、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明。改善・再発防止に取り組み、膿を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社へと変える決意で取り組んでいくという。経営マネジメントは現場とコミュニケーションを図り、本音で話のできる職場づくりに注力していくとのことである。

それに向けて、法律面及び技術面での外部専門家から構成される第三者委員会を設置。委員長は大手町法律事務所所属の弁護士で、元東京地方裁判所所長・東京高等裁判所部総括判事を務めた貝阿彌 誠(かいあみ まこと)氏。委員は中村・角田・松本法律事務所パートナーで弁護士の仁科秀隆氏と、公益財団法人 自動車情報利活用促進協会 理事(元国土交通省 自動車交通局 技術安全部部長)を務める中山寛治(なかやま かんじ)氏の2人。ダイハツとは利害関係がない外部の法律面・技術面での3人の専門家で構成される。第三者委員会は、今回の事案に関して、全容解明および真因分析に加えて、ダイハツの組織の在り方や開発プロセスにまで踏み込んだ再発防止策の提言を委嘱したという。

ダイハツは、「第三者委員会には独立した立場で必要な調査を行っていただき、調査結果の報告と再発防止策の提言をお願いしております。当社は、第三者委員会の調査に全面的に協力し、調査報告書を受領次第、速やかな開示をはじめとする対応を行ってまいります」とコメントしている。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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