創業50周年を迎えたチューニング界のビッグネーム、HKS。信頼と安全に裏付けされたトータルバランスチューニングは、GR86/BRZが秘めたポテンシャルを引き出す!
吸排気をファインチューン デビューから2年が経ち、チューニングの内容にも深みが増してきたGR 86(ZN8)とBRZ(ZD8)。HKSでは先々のスーパーチャージャーやターボなどの過給器を組み合わせたチューニングを見据えて、純正ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)の解析や、夏場のサーキットを走り込み熱害がエンジンに与える影響を探ってきた。
そこで見えてきたのが、NA(自然吸気)のままなら純正ECUでも対応できること。先代に比べ排気量が400ccアップし、低速でもトルクが太く扱いやすくなったGR 86だが、中回転域でわずかな「トルクの谷」が見られる。そこで、空気をエンジンに送り込む吸気装置のエアインテークシステムと、各シリンダーから排出される排ガスをエキゾーストパイプへと導くエキゾーストマニホールド(エキマニ)を開発した。
開口面積を拡大し効率的に空気を取り込むエアインテークダクト、低圧損と吸気温度低減を追求した「キノコ型」フィルターをセットしたコールドエアインテーク、スムーズな空気の流れと断熱を両立するカーボンサクションで構成されるエアインテークシステム。それぞれが相乗効果を発揮し、アクセルを踏み込んだときの「ツキのよさ」を体感できる。
排気効率を改善するのが「スーパーマニホールドwithキャタライザーGTスペック(GTマニ)」。4-2-1レイアウトを採用し、4本部分の取りまわしにこだわり完全等長を実現した。エキマニの先に付く触媒は純正の目の細かいセラミック製に対し、低密度のメタル製にすることで排気抵抗が大幅に低減。低密度のセルを使いながら、貴金属の配合割合を最適化し、平成30年の排ガス規制に適合。第三者機関による証明を取得し、車検も問題なく受けられる。
社内テストではGTマニとスポーツマフラー「ハイパワースペックLⅡ」の組み合わせで、4300回転付近でノーマルに対し出力・トルクともに約11%向上。4000回転付近のトルクの落ち込みが大幅に解消され、エキマニならではの抜けのいい澄んだサウンドとともに、滑らかなエンジンの吹き上がりを味わえる。
回転数の上昇に比例してパワーが盛り上がり、NAエンジンの醍醐味を堪能できる、マフラー交換の次に実践してみたい吸排気チューンだ。
●パフォーマンスだけでなく雨水対策なども検証したエアインテークダクト、HKS伝統のキノコ型スーパーパワーフローでエンジンルームを彩るコールドエアインテーク、レーシーな雰囲気のカーボンサクションで構成されるプロトタイプのエアインテークシステム ●空力解析を基に3D CADでモデリングされた保安基準適合のボディキットタイプS。Fスポイラー+サイドスカート+リヤスポイラーのスポイラーセットは53万9000円 ●富士スピードウェイのストレートなど高速域で発生する強烈なダウンフォースに耐えるよう、取り付けステーを強化したリヤウイング(35万2000円) ●クリアなエキゾーストサウンドにこだわり、左右完全等長のパイプレイアウトを採用したハイパワースペックLⅡ(19万3600円) ●テストの結果を踏まえてパイプレイアウトの検討を重ね、排気抵抗を大幅に減らす完全等長を実現したスーパーマニホールドwithキャタライザーGTスペック(19万8000円) ●サーキット走行で周回を重ねると油温の上昇が起きる。安心してスポーツ走行ができるように専用のオイルクーラーキットを開発中 ●オイルクーラー本体はフェンダー内に設置。それに伴いウオッシャータンクをバッテリーの横に移設。将来の過給器チューンにも対応 ●シンメトリカルなエンジンが際立つ、軽さ・高強度・ルックスを兼ね備えたドライカーボン製のエンジンカバー(3万8500円) ●GRスープラで好評のカーボンブレース試作品。ゴルフカーボンシャフトの知見を生かし、走行性能の向上と乗り心地の両立を図る ●3D CADで新設計されたボーンフレームとモノコック構造のボディシェルで剛性・強度が向上したブリッドのストラディアⅢ
ハイパーマックスR価格:30万5800円
新開発の専用ダンパーフルード「SRF」と高強度スプリング「LVS」の採用で、高次元の走りと乗り心地を両立。ハイグリップタイヤを装着してもFRらしい挙動を堪能できる。
〈文=湯目由明 写真=岡 拓〉
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TEL:0544-29-1235
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