2023/03/15 ニュース

水素エンジンカローラ、水素漏れによる車両火災…スーパー耐久第1戦鈴鹿欠場

●水素エンジンカローラ

3月18、19日に開催されるスーパー耐久レース初戦、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦 SUZUKA S耐 5時間レース」に参戦予定だった水素エンジンカローラの欠場が決まった。何が起きたのか?

3月8日、富士スピードウェイで実施した専有テスト走行にて、エンジンルームの気体水素配管からの水素漏れによる車両火災が発生。その結果、車両の復旧が間に合わないため、出場を断念したという。代替車両は、GRヤリス(ガソリン)。

【画像】公開された液体水素搭載コンセプト(2022年)

なお、今回のテスト走行では、液体水素を使用していた。ただし、今回の水素漏れによる車両火災は、気体水素から液体水素に燃料を変更したことが直接の原因ではなく、車両振動による配管結合部の緩みが生じ、水素が漏れたことが判明しているという。配管結合部はエンジン近辺にあったため、漏れた水素が熱されることで引火した。

一方、当初の狙いどおりに水素リークセンサーと呼ばれるフェールセーフが正常に機能。水素の供給が停止され、大幅な延焼は回避。その結果、キャビンは守られ、乗員の安全対策について確認ができたという。

今後は、水素漏れの原因となった配管設計を見直すことで、より安全な車両開発を行っていくとしている。

TOYOTA GAZOO Racingでは、「水素エンジンカローラの走行を楽しみにしてくださっている多くの皆様には、ご心配をおかけしますことをお詫び申し上げます」、「今後も、仲間とともに、レース参戦に向けて開発に取り組み、カーボンニュートラル実現に向けて、水素エンジンカローラでの挑戦を続けてまいります。特に、今年は液体水素でのレース走行という世界初の取り組みにチャレンジしていきます。引き続き、温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします」とリリースに記している。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

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