日本でもっとも身近なクルマといえば軽自動車。その維持費の安さやコンパクトな車体ならではの運転のしやすさ、使いやすさで人気だが、いまだ「安全性が気になる」という声が聞かれるのも確か。
軽自動車の先進安全装備を体験するのは、軽自動車を購入検討中の平野志磨子さん。「軽自動車が欲しいけど、運転に不慣れなだけに安全装備は大丈夫なんだろうか?」とリアルにお悩み中だ。そのナビゲーター役は、モータージャーナリストとして活躍中の藤トモこと藤島知子さん。
前回の記事で衝突を未然に防ぐ機能を体験した2人が今回試すのは、運転をさらに快適にする機能。
イマドキ軽の先進安全装備…その実力とは!?
※安全装備の体験は、テストコースで行っています シリーズ・軽自動車ってホントに安全? クルマ初心者と藤トモが体感…イマドキ軽の最新安全装備①[衝突事故を未然に防ぐ機能編]
⑥疲れちゃう長距離運転をお助け!「追従クルーズコントロール」 走行安定性が格段に進化した今どきの軽自動車は、もはや街乗り主体のクルマではなくなった。車内も広く、荷物を載せて遠路はるばるキャンプ場まで…なんてシチュエーションも普通である。しかし、運転しているのは人間。長距離、そして長時間の運転で緊張が続くとやはり疲れてしまうもの。そこで役に立つのが、「追従クルーズコントロール」という機能だ。
藤トモ:次は、“ついていく”機能を試してみましょう。車両前方にあるセンサーやカメラが、先行車を検知、車間を保ちながら走ってくれるの。
平野:アクセルとかブレーキは操作しなくていいんですか?
藤トモ:百聞は一見にしかず。早速ステアリングを握ってみて!
●平野が追従クルーズコントロールを試す!
●起動スイッチはステアリング上に配置されており、手元を見ずとも起動可能 藤トモ:まずステアリングにあるスイッチを押してシステムを起動させて、「セット」ボタンを押します。それから車速を合わせて、アクセルペダルから足を離してみて?
平野:アクセル踏んでないのにクルマが前に進んでいます!
藤トモ:そして、前を走っているクルマが減速すると…?
●前のクルマの減速に合わせて、自車も減速しブレーキランプが点灯! 平野:前のクルマが減速したら、ブレーキを踏まなくても勝手にこちらも減速しました…!
藤トモ:再加速もスムーズよね。ブレーキとアクセルの踏み変えが少なくて済むから、ステアリングの操作に集中できる。
平野:安全性も高まるということですね!
藤トモ:なかには、ストレスの多い渋滞時のストップ&ゴーでもちゃんとついていく機能を持った軽自動車まであるのよ。
平野:それはホントに助かります!
⑦うっかりはみ出しを防ぐ!「車線逸脱抑制機能」 走行中、意図せず車線内からはみ出してしまったらどうなるか? 事故の危険性が高まるシーンであること、想像に難くない。車線内を安全に走ることはとても大事なことだ。でも、やはりそれも完璧ではない。うっかりミスを防いでくれるのが、「車線逸脱抑制機能」である。
藤トモ:うっかり車線をはみ出してしまったら危険だよね。
平野:車線内の真ん中を走っているつもりが、いつの間にか車線に近づいていたり…。
藤トモ:そうそう、そんな危険を防いでくれるのが、「車線逸脱抑制機能」なの。
●ステアリングにある車線逸脱抑制機能のスイッチを押す
●フロントのカメラが車線を認識。クルマを車線内からはみ出さないよう制御が働く 藤トモ:では、ウインカーを出さずに車線を乗り越えようとしてみて?
平野:あ、ステアリングが戻された!
藤トモ:グッと車線内に戻してくれるから、不測の事態ではみ出したりして起きる事故を防いでくれるのよ。
平野:警告音も出してくれるから、「危ないよ」と気づかせてくれますね。
藤トモ:でもまだこれだけじゃないのよ〜!
●車線をはみ出しそうになると警告音とともにドライバーに警告し、さらに車線をもとに戻すようにハンドル操作支援もしてくれる ⑧さらに長距離運転を快適に!「車線維持支援機能」 「車線逸脱抑制機能」は、おもに事故を未然に防いでくれる機能のこと。じつは、さらに高度なステアリング制御も軽自動車に採用されている。それが、「車線維持支援機能」。高度な安全性は、快適性にも通じており、長距離ドライブでの安心感を高めて疲労軽減にも一役買ってくれるのだ。
平野:「車線維持支援機能」って、車線内の中央付近を走ってくれるんですよね? もう自動運転みたいですね!
藤トモ:あくまでも運転を手助けする機能なの。自動運転というより、「私の運転をサポートしてくれてる」と考えたほうがいいのよ。
平野:例えばどうやって使うんですか?
●高速道路などの車線内の中央付近を維持しながら走行可能 ●ステアリング上のスイッチ操作でシステムを起動し、車線維持支援機能をスタート 藤トモ:例えば車線維持支援機能のスイッチを押して走っていると…ほら!
平野:これ、藤トモさんが運転してるんじゃないんですか?
●いつでもハンドル操作ができるように、ドライバーは軽くステアリングを握っていればオーケー。平野:ステアリングをクルマが制御してホントに車線中央を走ってますね…スゴイ!
藤トモ:過信はせず、ステアリングに手を添えて、ブレーキもすぐにかけられるようにしておいてね。安全を確認して何かあったときの対応ができるようにしておくこと。
平野:わかりました!
藤トモ:この機能があるとないでは、ロングドライブでの疲労度はホントに違うのよ。快適性の高さは、安全性にもつながるしね。
日進月歩で進化する先進安全装備。楽しく、そして安心・安全なカーライフを送るためにも、ぜひ今回紹介した機能に注目しながらクルマ選びの参考にしてほしい。
●今回のシリーズに登場する車種。
左から、三菱 eKクロス スペース、日産 ルークス ハイウェイスター、ダイハツ タントカスタム、スズキ ハスラー、ホンダ N-WGN
各予防安全機能・運転支援機能は、ドライバーの運転支援を目的としているため、機能には限界があり、対象物・路面・天候等の状況によって正常に作動しない場合があります。機能を過信せず、常に安全運転を心がけてください。詳しくは店頭又は各自動車メーカーのホームページをご確認下さい。