2021/06/17 コラム

日産のエンブレムが変わった…新旧混在が気になって仕方がない!|木下隆之の初耳・地獄耳|

●新エンブレムはフラットなデザイン

「日産のエンブレムが変わりましたね」
 編集担当Kが突然そんなことを口にした。

「ああ、新型ノートから新しいエンブレムになった(※)素人じゃないんだ。知ってるだろ?」
「20年ぶりの変更っすものね」

※発表は電気自動車アリアのほうが先だったが、発売はノートが先


●新エンブレム


●旧エンブレム

日産のロゴが変更になった。だが、劇的な変更ではない。これまでのエンブレムは、その形からハンバーガーと言われていた。中央の分厚いパテには「NISSAN」のロゴが刻まれている。それを丸く盛り上がったバンズで挟んでいた。立体的なエンブレムだった。だからふっくら感があってハンバーガーと呼ばれて親しまれていた。

「オチョくられていた?」
「いや、親しまれていたのだ」
「本当っすか?」
「わからん」
「そんな無責任なぁ…」
「それがちょっと細身の2次元スタイルになった。スッキリしたような気がするね」

基本的にはハンバーガーの印象の残る丸基調のロゴでありエンブレムだが、スッキリさっぱりしたように感じる。これが現代的なのデザイントレンドである。スマホやPCで見やすいというのが理由だそうだ。フォルクスワーゲンやBMWも同様のトレンドにならって、平面的なロゴに変更されている。

「なるほど日産も近代的に生まれかわろうというわけっすね」
「そういうことだ。応援しようじゃないか」
「でもですね、キックスやセレナは旧ロゴのまま。なんか変じゃないですか?」

ん〜、確かに妙な気がしないでもない。先日、最新の日産車を一同に集めて試乗した。3台並びのタイトルカットを撮影を見ていて違和感を覚えた。ノートだけが新エンブレムで、その他は旧エンブレム。つまり、ノートを買う人は最新のモデルを買った満足感に浸れるけれど、キックスやセレナを買った人はそれが新車であっても旧エンブレムになる。なんだか損した気がするのではないかと、うがった見方をしてしまうのだ。

「たしかに、新車なのにいきなり旧型感が残っちゃうからな」

企業がCIをすることは珍しくはない。

「コーポレート・アイデンティティ(CI)は、ロゴやエンブレムを添えることで企業のイメージや存在価値に統一感を出すためのもの。CIを変えると、ブランドの鮮度が高まるわけだ」
「だかからこそ、旧ロゴが古臭く見えます」

とはいうものの、CIを変えるには莫大な資金を投じなければならない。たとえば何万人もの社員を抱えている企業だろうから、膨大な名刺も擦り直さなければならないし、世界各地に点在している販売店の看板も変えなければならない。途方もない予算が必要なのだ。

だから、徐々に変えていこう、というのがセオリーでもある。レクサスがロゴを変えたときにも、マイナーチェンジのタイミングで変えていった。もっともレクサスのロゴを、よくよく見なければ違いが分からないほど微細な変更だったから、新型なのに旧エンブレムでも不自然ではなかった。BMWのロゴも、車両自体のエンブレムには変更はない。

「でも日産は気になりますね」
「たしかに日産のエンブレムは新ロゴにすべきだと思う。これじゃ、キックスやセレナが可哀想だからな」
「キックスもセレナもいいクルマっすからね」
「マイナーチェンジまで待ってあげようじゃないか」
「ノンビリしていると、どこかの業者が新エンブレム交換キット、売り出しちゃいますよ?」
「……」
「あっ、売ろうとしていますね?」
「……」

〈文=木下隆之〉

ドライバーWeb編集部