おもに子育てファミリーがメインターゲットとなる軽スーパーハイトワゴン。子どもの指定席は、たぶんチャイルドシートもしくはジュニアシートを据えた後席のはず。
小学生くらいまで成長すればそれほど気にならないかもしれないが、まだ子どもが乳幼児の場合、気が休まるのは寝ているときくらい。基本は片ときも目が離せないものだ。
そのため最新各車は前席から後席へアプローチしやすいシートアレンジを採用。いずれも前後席のロングスライド機構がカギとなり、N-BOXは助手席の「スーパースライドシート」(EXグレードに装備)、タントは助手席に加え、世界初の「運転席ロングスライドシート」が備わる。
そこで本題。後席を使わず助手席に大人が座った場合、スペース的にどうなのか?ということ。例えば朝、駅まで旦那(奥)さんを送っていくようなシーンだ。
というのも、eKクロス スペース(同スペースも)とルークスは、助手席スライドを最後端にしても他車より足元が狭く感じるのだ。正直、「これしか下がらないの!?」という印象すらある。
そこで、eKクロス スペース、タント、N-BOX、スペーシア ギアの助手席を一番下げた際の、インパネと右ひざ頭までの距離を測ってみた。ちなみにテスターの身長は175cm。座高と足の長さを含め、標準的な日本人の体型だ。
eKクロス スペース | 15.5cm |
N-BOX | 16.0cm |
タント | 16.0cm |
スペーシア ギア | 19.5cm |
やはりeKクロス スペースが短い。とはいえ、意外にもたった5㎜だけ。それ以上に狭く感じるのは、大きく張り出したエアコン操作パネルのためだろう。さすがにひざに当たりはしないが、やはり視覚的な圧迫感がある。
数値上、もっとも広かったのはスペーシア ギア。最後端にすると、足(靴)の置き場はフロアの平らな部分のほうが落ち着くほど。足を組んでみても他車より余裕がある。
とはいえ、じつはこの2台…助手席のスライド幅自体はほぼ変わらない。ざっくり言えば、シートの可動域をeKクロス スペースは「前」に、スペーシア ギアは「後ろ」に置いているだけなのだ。
eKクロス スペースは、売りの320㎜後席ロングスライドを最前端にセットすれば、それほど前席を下げなくても後席の子どもに手が届く。その分スライド幅を前に置くことで、後席を倒したときの荷室(奥行き)を稼げる。
一方、スペーシア ギアの後席スライド幅は210㎜と前者に及ばないが、前者より位置を後ろにできる前席スライドを併用することで同等の後席へのアクセス性を確保。ただし、後席を倒し助手席を前端にセットした際の荷室奥行きでeKクロス スペースに劣る、といった具合だ。
それぞれ一長一短があり用途に合わせて選べばいいと思うが、ここで主眼とした助手席スライドを一番下げたときの広さでは、スペーシア ギアの圧勝となる。
ちなみにeKクロス スペースより5㎜広い同値のN-BOXとタントは、広さ感もほぼ同等。ただし、空調パネルとシフトまわりがカクカクしたデザインのタントより、緩やかな丸みを帯びたN-BOXのほうが視覚的に落ち着いた印象。そんな感覚的なものまで含め順位を付けると、
1位:スペーシア ギア
2位:N-BOX
3位:タント
4位:eKクロス スペース
となる。N-BOXとタントはeK クロス スペースと同様、(スペーシア ギアより)前方向へのシートスライドを重視している。今回テストしたN-BOXは標準シート車だったが、前述の「スーパースライドシート」車であれば他を圧倒。ただし、助手席で足を組んでふんぞり返られても、あまりいい気はしないかも。もちろん人にもよりますが。
〈文=driver@web編集部〉
2024.03.19
NEWS
<最新号>ドライバー2024年5月号が発売。アコード、CR-V、クラウ ...
2024年3月19日、「ドライバー2024年5月号」が発売となりました。 ドライバーは、旬のクルマ情報を、詳しくわかりやすく、そして楽しくお届けする総合クルマ雑誌です。 11代目の ...
2024.02.09
NEWS
【解説】地方版図柄入りナンバープレートに「新種」が追加になった!
■続々と増加中の「地方版図柄入りナンバープレート」近年、人気急上昇中の「地方版図柄入りナンバープレート」。街なかでもよく見かけるし、もしかしたらご近所さんのクルマも、いつの間にか「地方版図柄入りナンバ ...
2023.11.16
MOVIE
【動画】ホンダの新型コンパクトSUV「WR-V」を先行公開!実車見てき ...
11月16日、ついに情報解禁! ホンダ「WR-V」という名の新型コンパクトSUVが公開されました。注目は価格です。ヴェゼルより全高が少し高いサイズ感のWR-V、なんと全グレードが250万円以下!? 売 ...
2023.12.19
GOODS
“足まわり”のプロショップと“トヨ ...
どんなレースでも勝てるマシンを作り込む乗用車用だけでなく、トラックやレース用のタイヤまで扱う老舗タイヤショップ、K-one。オーリンズとの提携によるオリジナルダンパーも開発する「足まわりのプロ」だ。そ ...
2023.12.21
NEW CAR
三菱自動車、トライトンを正式発表…価格とスペック公開。1 ...
三菱自動車は2023年12月21日、新型の1トン積みクラスのピックアップトラック「トライトン」を2024年2月15日から発売すると発表した。トライトンはタイで生産する世界戦略車で、日本への導入は12年 ...
2023.12.25
COLUMN
【大型SUV向けサイズも登場】ブリザックVRX3で北海道旅&helli ...
2021年に登場したブリヂストンのブリザックVRX3。ブリザック史上最高の氷上性能に加えて、長持ち性能なども引き上げたプレミアムスタッドレスタイヤだ。発売からすでに3シーズンがたち、その評判はあちこち ...