2018/03/29 ニュース

NBR24h参戦車両、JALの旅客機でニュルへ飛ぶ!?

SUBARU/STIがNBRチャレンジと称し、過去10回にわたり参戦するニュルブルクリンク24時間(NBR24h)レース。11回目の挑戦となる「第46回ニュルブルクリンク24時間レース」に向け、2018年3月22日にNBR24h参戦車両が成田空港(千葉県成田市)から、JAL407便ドイツ・フランクフルト行きのボーイング787の貨物室に収まりテイクオフ!今回はその貴重な積み込みの現場を取材した。

新開発の貨物パレットがキモ

自動車の空輸自体はそれほど珍しいものではない。今回のトピックは何と言っても旅客機のお腹、貨物室に車両を積載したことにある。通常は貨物機による輸送が一般的。この場合、車両は貨物室の上部(つまり旅客機の客室部分)に積載するため、貨物輸送の効率という点からみると車両上部の空間がムダになる。 
今回取材した日本航空(JAL)の旅客機による自動車輸送サービスは、貨物輸送を担うJAL CARGOの「J SOLUTIONS WHEEL」と呼ばれるもの。新たに開発した専用の貨物パレットに車両を載せて、機体の進行方向に固定する。これにより、機体胴体の横幅の制約を受けず、全長が5140mmまでの車両が積載可能となった。ボーイング787の貨物室の高さは約1.6mなので、この条件に収まるクルマであれば、さまざまな車種に対応する。今回のような、車高の低いレースカーなどの輸送にも適している。 
車両を載せる専用の貨物パレットは、前後にバンパーの役目を果たすハンドルが付いており、機体や車両を保護する役目とともに、機体への積み込み時に作業員が車両に触れることなく作業が行える。また、事前に車両をパレットに載せて固定させるので、積み込み作業時間の短縮も図れるなど、効率的に輸送できるという利点もある。今回は3月20日に貨物パレットへの固定作業が行われたそうだ。 

さて、いよいよ車両の積み込みだ。


フランクフルト行きJAL407便となるボーイング787が成田空港に降り立ち、タラップにドッキング。乗客が降りた後、出発準備が行われる間に「SUBARU WRX STI NBR 2018年レースカー」を載せた貨物パレットが、機体の横に横付けされた。
貨物パレットが昇降機に載せられ、貨物室の高さまで上昇。まず、機体に横差しされる形で貨物室に自動で送り込まれる。途中、作業員の指示で機体の進行方向へと向きを変えて貨物室内にすっぽりと収まった。「まさか、客室の足元にクルマが積まれているなんて!」なんて声が聞こえてきそうな不思議な光景である。



 
今回、辰己英治NBRチーム監督もマシンの積み込みに立ち会った。「旅客機に搭載できるので、貨物機を利用するよりも時間的な自由度があります。レースカーの場合は送り出すぎりぎりまでクルマの改良や改善をしたいので、このサービスはチームにとってたいへん有効です」と語った。 積み込みが完了したJAL407便は11時30分すぎにタラップを離れ、ドイツへ向けて飛び立って行った。


 日本航空の旅客機による自動車輸送サービス「J SOLUTIONS WHEEL」について詳しくはこちら 

SUBARUとJALは”中央翼”でつながる!?

ちなみにこの取材、ボーイング787の「中央翼」部分などの設計や製造に携わっているスバルと、この機体を使用した「J SOLUTIONS WHEEL」のサービスを行うJALとのコラボレーションにより実現したもの。じつは、2017年10月に行われたスバルの技術紹介などを行う報道陣向けの「SUBARUテックツアー」では、チャーター機によるボーイング787中央翼体感試乗が行われた。このとき、成田空港から旭川空港まで、「J SOLUTIONS WHEEL」によりBRZがボーイング787で輸送されている(同時に抽選で選ばれた「SUBARU Web コミュニティ(#スバコミ)」会員が搭乗する企画も開催)。このイベントが縁で、「SUBARU WRX STI NBR 2018年レースカー」の「J SOLUTIONS  WHEEL」によるニュルブルクリンク行きが企画されたそうだ。 

ニュルブルクリンク24時間レースまでの流れ

ドイツに到着したマシンは、通関後にニュルブルクリンクサーキット近くのアーデナウの街にあるガレージ陸送されたという。これからの予定はというと、4月14、15日にQF(クオリファイ)レースに参戦する。これはNBR24hレースを前提とした6時間耐久レース。このレースで上位に入ったマシンにはNBR24h本戦のトップ30クオリファイに進出できる権利が与えられる。また、このレースに参戦することで、マシンの最終的なチェックやドライバーがコースに慣れる機会としても活用される。参戦するのはカルロ・ヴァンダム選手とティム・シュリック選手で、井口選手と山内選手はスーパーGTの鈴鹿のテストと重なるため不参加となる。4月20日はテストデーで、井口と山内の2人が慣熟走行を兼ねテストに参加。テスト終了後にエンジン、トランスミッションをレース本番に向けて新品に交換そして、5月10〜13日はいよいよNBR24hレース本番だ。昨年の雪辱を果たせるか!? 今年のニュルはSUBARU/STIにぜひ注目したい! ニュルブルクリンク24時間レースNBRチャレンジについて詳しくはこちら 
SUBARUhttps://www.subaru.jpSTIhttps://www.sti.jp 日本航空https://www.jal.com/ja/JALCARGOhttps://www.jal.co.jp/jalcargo/ 
https://driver-web.jp/articles/detail/5000/

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