2024/04/04 モータースポーツ

フォーミュラEが閉幕…日産は母国開催で堂々の表彰台

電気自動車の世界最高峰レース「フォーミュラE第5戦 東京E-Prix」が3月30日東京・江東区の東京ビックサイト周辺の公道を使用し開催された。

フォーミュラEは日本初開催となり、公道を使用しての本格レースも国内初の試みとなった。開会式には岸田文雄首相や、東京都の小池百合子知事も訪れ、カーボンニュートラルや、排気ガスを出さない環境に優しいレースを盛り上げていきたいと語った。

予選では日本の自動車メーカーとして唯一参戦している日産のオリバー・ローランドがマキシミリアン・ギュンター(マセラティMSGレーシング)を0.021秒差で下しポールポジションを獲得。決勝レースに臨んだ。

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決勝レースでは街なかを走る電気自動車とは一線を画すフォーミュラEに圧倒される。エンジンのような爆音はないものの、高音のモーター音が鳴り響き迫力は満点だ。グランドスタンドからもマシンが通り過ぎると「こんなに速いの?」、「かっこいい」などの歓声が上がっていた。

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レースではコース上に設けられた特定のアクティベーションゾーンを通過することで、225kWまで出力アップが可能になる「アタックモード」が使用ができるが、アクティベーションゾーンは通常のレーシングラインから外れたところに設置されるため、通過すればその周回はタイムロスを余儀なくされる。また使える時間と回数はレース直前まで発表されないため、各チームは使い方に頭を悩ますはずだ。これもフォーミュラEならではの楽しみ方になる。

日産のローランドがレース序盤から先頭を維持し、隊列を引っ張る形。19周目にコース上のパーツを回収するために、今大会初のセーフティーカーが導入された。数周のセーフティーカー先導後のリスタートでも大きな混乱は起きず、依然、日産のローランドがトップを維持する。

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ローランドは2回の使用が義務付けられたアタックモードをすでに使用しており、2番手ギュンターは、あと1回のアタックモードを残す状況に。バッテリー残量でも数%ローランドが下まわる状況だった。

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24周目、2番手ギュンターがローランドをパスしトップに立つ。ギュンターはペースを上げて1.7秒差をつけて逃げにかかる。

レースはセーフティカー導入分の時間を加味した2周が追加され、35周の争いに。終盤には3番手にポジションを上げたダ・コスタ(ポルシェ)が追い上げるが、ローランドもポジションを死守する。ダ・コスタはこのタイムロスで4番手に後退してしまう。

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2番手ローランドは、ファイナルラップでもトップのギュンターにプレッシャーをかける。コーナーでは並び掛かるが追い抜くまでには至らず、スタンドからもどよめきが起こった。白熱のバトルは最終周の最終コーナーまで続いたが、35周目にチェッカーフラッグ。

記念すべき日本初開催となったフォーミュラE東京E-Prixはマセラティのギュンターが制し、日産のローランドは惜しくも0.7秒差の2位。3位にジェイク・デニス(アンドレッティ)となった。

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当日の観戦チケットは完売し、無料エリアも含めた来場者数は2万人に上った。会場となった東京ビックサイトには、キッチンカーやステージイベントを始め、さまざまな次世代モビリティに試乗できるようになっており、家族連れなども多く来場していた。

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「音が出ないから面白くない」や「楽しみ方がイマイチわかりづらい」といった声もあったフォーミュラEだが、大迫力のレースや室内イベントなどモータースポーツファンを熱くさせる

十分な魅力を秘めるイベントに仕上がっていた。始まったばかりのフォーミュラE 東京E-Prixが来年も開催ができるように期待したい。そして日産フォーミュラEチームの活躍からも目が離せない!

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〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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