2024/03/06 カー用品 PR

雪国の本場・フィンランドの老舗メーカーの最新スタッドレスタイヤは日本の環境にも最適だった

■氷にも強く、日本の環境にも最適なノキアンタイヤ・ハッカペリッタR5ファミリー

日本でも徐々に認知度が高まってきているノキアンタイヤ。北欧フィンランドが開発拠点の同社は、1934年に世界で初めてウインタータイヤを市場投入した老舗ブランドだ。その最新スタッドレスタイヤの実力を「タイヤ師匠」こと斎藤聡がテスト。

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●1934年に世界初のウインタータイヤを発売したときの広告

北欧の老舗タイヤブランド、ノキアンタイヤは世界で初めてウインタータイヤを作ったことでも知られ、北欧などではウインタータイヤのシェアでナンバー1、さらに自動車メーカーの推奨タイヤにも選ばれるほど信頼性が高い。

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●敷地面積700haという、タイヤメーカーとしては世界最大級のウインタータイヤを開発する屋外試験場を保有している

日本にもリプレイス用として展開されており、阿部商会が取り扱っている。その最新スタッドレスタイヤが、今回紹介するハッカペリッタR5ファミリーだ。

これは先代R3からの進化版。方向性のあるV字パターンはR3と同じに見えるが、じつは溝を狭めることでトレッドのブロック数は40%増加。接地面積も4%アップ、サイプ量も10%ほど増えている。明らかに氷上性能を高めるための工夫だ。興味深いのは、トレッドデザインが共通のまま、乗用車用、SUV用、EV用の3種類を用意したこと。もちろんコンパウンドやケースなどはそれぞれ専用設計となっている。

ノキアンタイヤ
●トレッドの左右で溝がズレているのもR5ファミリーの特徴。パターンに起因するノイズを低減する工夫でもある

乗用車用「R5」を氷上で試してまず感じたのは、運転のしやすさ。明らかにR3より氷上でグリップするし、しかもステアリングから伝わってくる手応えがじつに明瞭なのだ。

滑りやすい氷上では、ステアリングをじわり切り出したときのタイヤの応答性が重要だが、R5ファミリーはステアリングを切った量に応じてクルマが反応してくれる。安心して旋回できるため、結果的に最小限の操舵でスイスイ走らせられるわけ。シリカを増した新コンパウンドのゴム効果と、アークティック・グリップクリスタルと呼ばれるひっかき剤の効果もあり、氷上性能を自慢できるレベルに進化したと言えるだろう。

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●北海道・旭川の一般道でも試乗。交差点のツルツル路面も不安なく停止・発信できる氷上性能を確認できた

■ハッカペリッタR5ファミリーは雪も、ドライ路面もらしさ満点

一方、雪上はどうか。

細めになった溝は排雪性の面でネガティブになりやすいが、心配無用だった。ノキアンタイヤの特徴でもある排雪性のよさ、それらからくる雪をしっかり踏みしめ・グリップしている感触は損なわれていない。これはうれしい誤算で、雪上でもクルマの動きが手に取るようにわかりやすく、ただ単に発進する・止まる・曲がるだけではない、運転の楽しさまで味わえる。さすがウインタータイヤの老舗といえるタイヤだ。

一方SUV用の「R5 SUV」は、SUVならではの重量増に対応すべくコンパウンドを高剛性化。さらにサイドウォールにアラミド繊維を配合し、サイドカットしにくく強化されているのも特徴だ。ブロック剛性の高さからくる操縦性のよさに加えて、もちろんR5同様に氷上性能も進化。ライト系SUVならR5でも十分だが、中重量級なら積極的にR5 SUVを選びたい。ブロック剛性の高さが、重い車重をしっかり受け止めてくれる。

R5ファミリーの速度レンジはR(=170㎞/h)以上と、ドライ路面での直進安定性も高い。さらにスタッドレス特有の高周波ノイズが気にならない静粛性は意外だった。加えて環境配慮も抜かりない。じつはその転がり抵抗性能は、日本のラベリングでAA以上、つまり低燃費タイヤのレベルを獲得。これもノキアンタイヤの特徴である。冬季も運転を楽しみたい人、さらに、タイヤにはうるさいよ!という人はぜひ一度試してほしいタイヤだ。

■EVにはEV専用スタッドレス!ハッカペリッタR5 EV

ノキアンタイヤ

ノキアンタイヤはいち早くEV用スタッドレスタイヤを開発した。その名もハッカペリッタR5EV。

今や世界的にEV化の波が押し寄せているが、EVは何しろ大容量バッテリーを積むため車重が重い。さらにアクセルを踏んだ瞬間に大トルクを発生させるモーターならではの特性上、タイヤへの負担は想像以上。

ノキアンタイヤはそこに着目。EVと相性のいいコンパウンドを開発。R5EVとしてラインアップした。

大きな特徴は、耐摩耗性、静粛性、操縦安定性の3つ。専用コンパウンド、さらにタイヤのプロファイルも高トルク向けの強化タイプを採用している。接地面を均一化することで、耐摩耗性はもちろん、高速走行時の安定性も高めた。さらにタイヤの内側には吸音スポンジも搭載し、内部で共鳴する音を抑制している。

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●タイヤ内部の吸音スポンジ。R5ファミリーのなかでもR5 EVにのみ搭載されている

今回はテスラモデル3のAWDモデルに、235/45R18サイズを装着。圧雪路に踏み入れてみると、ほかのR5ファミリー同様に豊かなグリップ感。高トルク対応といってもタイヤは適度にしなやかで、ちゃんとしたスタッドレスタイヤだった。

せっかくなので、停止状態からガツンとフル加速してみる。高トルクに耐えきれず空転するかと思いきや、エッジの聞いたグリップ感や加速の強さは期待値をはるかに超えるもの。テスラとのマッチングも良好だ。

静粛性に関しては新品時から150㎞程度走った段階で音圧が下がり、スタッドレスとは思えぬ静かさを提供。ひと皮むけたら本領発揮だ。

転がりのよさに貢献するコンパウンドにより電費(燃費)を改善し、航続距離延長も期待できるタイヤだ。

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●ハッカペリッタR5ファミリーをテストした斎藤 聡。R5/R5 SUVは北海道で、R5 EVは福島県の一般道を中心に走行した

R5ファミリー サイズラインアップ
ノキアン3

R5:175/65R14 82R 〜 275/35R20 102T XL

R5 SUV:215/65R16 102R XL 〜 285/40R22 110T XL

R5 EV:235/45R18 98T XL 〜 295/35R22 108T XL

※価格はオープン

〈文=斎藤 聡 写真=山内 潤也〉

■問い合わせ先
阿部商会「ノキアンタイヤ」公式サイト

ドライバーweb編集部

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