ひと口にキャンプといってもスタイルはさまざま。ソロキャンも楽しいし、家族や仲間といっしょにワイワイ行くもよし。今回試したのは後者。相棒にはステップワゴンを選んでみたが、じつに頼もしい。キャンプや遠出する際の悩みを、いろいろと解決してくれる。
みんなでキャンプ！
●今回はドライバー公式YouTubeチャンネル「driver channel」でもおなじみの藤トモこと藤島知子と制作メンバーの5人でキャンプ。5人乗車＋5人分のキャンプギアを積んでも車内に余裕があるのはさすがステップワゴン
3列目が邪魔じゃない！ 多人数でキャンプに行こうとすると、まず頭を悩ませるのが「どこまで人とギアを乗せられるか」。今回は5人でのキャンプを想定してみたが、大きなSUVやステーションワゴンなら荷物は積み込めても、後席に3人が座るのはちょっと厳しい。短時間なら問題ないが、いざキャンプ場まで遠出するとなると、真ん中に座る人が快適、とはいえない。
その点、ミニバンは荷物と乗員のスペースをやりくりしやすい。3列目シートを格納してそこに荷物を積みつつ、前席2人、2列目2人、3列目1人と座ってドライブできるからだ。さらにミドルクラスのミニバンなら3列目乗員のスペースも十分。でも、もう少し踏み込んでクルマ選びをするなら……ステップワゴンはキャンプでも頼もしい1台になる。
早朝、家を出る前にキャンプギアを積み込むシーン。ガバっとバックドアを開け、6：4分割の3列目シートを格納する。片手で軽々格納できてストレスフリーだし、その床面はフラットかつ低床。重いギアでも積み込みやすいのだ。3列目が跳ね上げ式だと、その格納したシートが邪魔になることがあるが、ステップワゴンなら心配いらない。
3列目に座る乗員に優しいのもステップワゴンの売りだ。シートがクオーターウインドーを塞がないから、3列目でも圧迫感がない。積み込んだギアと仲良く並んで座れる。
酔いにくい、は安心3列目から前方を見渡したときの開放感もうれしい。3列目シートに座るのはどこか罰ゲーム的な印象を持ちがちだが、そこは「3列目まで特等席」をうたうステップワゴン。ヒザ前、頭上、体まわりとスペースに余裕があるし、何より酔いづらさを開発コンセプトに採り入れたのは画期的。高い開放感を生み出す着座位置の高さに加えて、平衡感覚を保ちやすくしたというドアトリムやシートバックの水平基調デザインが効いている。シートの厚みもあって座り心地が貧相でないのも美点だ。
事実、クルマ酔いしやすい私・柿崎が3列目に乗って茨城県のキャンプ場まで向かったが、車内の一番後ろに取り残されている感は皆無。道中、純正アクセサリーの「リア席モニター」でユーチューブ動画を流しながら、メンバーみんなでワイワイ。15.6インチと大画面だから、3列目からでも十分視聴できるサイズだ。
運転をお願いした藤トモいわく、「荷物たくさんで多人数乗車でも十分加速しますね」。今回のステップワゴンは2Lハイブリッドのe:HEVモデルだったが、モータードライブならではの大トルクで坂道でもグングン上っていける。しかも、ちょっと締まった足まわりが車体の揺れをすぐに収束させるおかげで、「なんか船みたいな乗り心地で酔っちゃいそう……」という心配とは無縁だった。
キャンプ場に着いたら、さっさと設営して乾杯の準備。その模様は、ドライバーチャンネルで公開しているのでぜひチェックしてみてほしい。
【藤トモCAMP】女2人＋男3人でキャンプしてみました【ステップワゴン最強説】〈driver channel〉宴もたけなわ、さて寝ますか……。今回のメンバーは女性2人、男性3人。女性陣は車中泊、男性陣はテント泊だ。そんな仕分けができるのも、シートアレンジに長けたステップワゴンならでは。シートの段差は、クッションなどで埋めてやろう。純正アクセサリーのプライバシーシェードやカーテンで目隠しすれば、さらに快適な車中泊ができる。
キャンプのみならず、多趣味な人にはぜひステップワゴンをオススメしたい。みんなでワイワイ、初代から受け継がれる「箱に夢を詰め込んで」感が味わえるからだ。
純正アクセサリーでもっと楽しくエクステリア同様、室内もスッキリとしたデザインのステップワゴン。ホンダアクセスではステップワゴン用の純正アクセサリーを多数用意しているが、なかでもオススメなのが「15.6インチ リア席モニター」（14万9600円）。テレビはもちろん、スマホの映像もHDMI接続で映し出せるから、長距離ドライブの強い味方になってくれる。
ほか、フォグライトガーニッシュやボディサイドモールなどに加えて、重厚感のあるディッシュタイプデザインの16インチアルミホイール（1本2万7500円）も設定。
3列目床下格納、だからできるステップワゴンの3列目シートは、跳ね上げ式ではなく床下格納タイプ。格納した3列目が邪魔になりにくく、キャンプギアがスッキリ収納できるのがうれしい。運転手にとっても、クオーターウインドーを塞がないから直接視界も良好だ。しかも6：4の分割格納だから、シートを格納していない床下収納部分にも荷物を積み込める。
車種専用の目隠しアイテム外光を遮断しつつ、車内を外から見えないようするためのアイテムも豊富。車中泊するなら、ぜひプライバシーシェードやセパレートカーテンはそろえておきたい。ステップワゴン専用設計だからフィッティングも良好。
プライバシーシェード（1万6500円）
セパレートカーテン（7700円）
●純正アクセサリーで「ペットキーカバー（肉球）」（4400円）も用意。本体は樹脂製で、肉球部はシリコン製と凝ったデザインだ
■ステップワゴンe:HEVエアー 8人乗り（FF・電気式CVT）主要諸元【寸法・重量】全長：4800mm
全幅：1750mm
全高：1840mm
ホイールベース：2890mm
トレッド：前1485mm／後1500mm
最低地上高：145mm
車両重量：1810kg
【エンジン・性能】種類：直4DOHC
総排気量：1993cc
最高出力：107kW（145ps）／6200rpm
最大トルク：175Nm（17.8kgm）／3500rpm
【モーター・性能】種類：交流同期電動機
最高出力：135kW（184ps）／5000〜6000rpm
最大トルク：315Nm（32.1kgm）／0〜2000rpm
使用燃料・タンク容量：レギュラー・52L
WLTCモード燃費：20.0km／L
最小回転半径：5.4ｍ
乗車定員：8人
【諸装置】サスペンション：前ストラット／後トーションビーム
ブレーキ：前Ｖディスク／後ディスク
タイヤ：前後205/60R16
【メーカー希望小売価格】345万9500円
〈文＝ドライバーWeb編集部・柿崎 写真＝佐藤正巳〉
