2023/10/25 ニュース

三菱、次期デリカを世界初披露!「三菱D:Xコンセプト」はスターワゴン風!? PHEVに進化か

三菱D:XコンセプトはPHEVミニバンのコンセプトカー

三菱自動車は2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023で電動クロスオーバーMPV(マルチパーパスビークル)「三菱D:Xコンセプト」を世界初披露した。



【画像】次期型デリカを示唆するコンセプトカー

D:Xは「ディーエックス」と呼び、ディスカバー(発見する)とエクスペリエンス(経験)を意味する。現行のデリカD:5を想起させるネーミングが示すように、これは将来のデリカをイメージしたモデル。冒険心を呼び覚ます三菱自動車らしい電動クロスオーバーMPVをアピールした名称である。

現行デリカD:5は高い走破性を有するミニバンとして唯一無二のコンセプトを持ったモデルで、2007年にデビュー以来、ロングセラーとなっている。そろそろ次期型を示唆するコンセプトカーが出てもいいのでは…と思っていたら、やはり出てきた。

■外観はデリカらしさをアピール



外観はデリカの特徴である広い室内空間と高い安全性を継承。さらに未来のカタチとして「絶対安全大空間×絶対走破性」をデザインコンセプトとした。大空間のキャビンとそれを守るボディが基本で、フロントまわりはどことなくデリカスターワゴン(2世代目)を思わせるデザインが特徴的。フロント下方まで回り込んだフロントウインドーによって大空間を演出している。

力強いパフォーマンスと人とクルマを守る安心感を表現したフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」はさらに進化。サイドから回り込んだボディと一体化したシールドによってキャビンを守り、さらにスキッドプレートによってプロテクト感を高めている。ヘッドライトは特徴的なTシェイプランプにプロジェクションレーザーライトを採用し、両端まで延びたワイドな印象としている。

ボディサイドは、キャビン前方からDピラーまで続くサイドウィンドーグラフィックと堅牢なDピラーによりデリカらしさを表現。たくましく張り出したオーバーフェンダーと大径タイヤによって力強さをアピールしている。リヤは縦に長いリヤコンビランプを軸にTシェイプを構成している。

■便利で快適な広い室内空間



室内は1ボックスタイプの広いスペースに、乗員すべてがゆったりと過ごせる空間を確保。全席に体格に合わせた見晴らしのいい着座位置に設定できるパノラミックシートを採用、前席は休憩時に後方に回転させることができ、乗員全員で会話が楽しめる空間とした。



フロントウインドーと連続して足元までつながるシースルーボンネットには、前方の路面状況とフロントタイヤの切れ角などを組み合わせて表示。今までにない宙に浮いたような運転体験を可能とするエアリアルコックピットを実現している。



ヤマハとの協業によって開発したサウンドシステムを2023年8月に世界初公開したコンパクトSUV「エクスフォース」に採用したが、その進化版を搭載。多数のスピーカーをヘッドレストや車体の適所に配置し、すべての席で高品質かつ臨場感のある音楽体験を実現する。



インパネやシートにタン色の本革をレイアウトし、上質感を演出。アルマイトグレー色の金属調パーツをアクセントに配置することで、上質なギア感を表現している。



堅牢なDピラーをはじめとした各ピラー部分には、現行デリカD:5で安全性に定評がある環状骨格構造リブボーンフレームをさらに強化して採用。高い安全性と乗員を包み込む安心感のある広い室内空間を実現した。デリカD:5は初代アウトランダーと共有のプラットフォームをベースにしたモノコック構造であるが、次世代デリカもフレーム構造ではなく、モノコック構造になることを示唆している。プラットフォームは現行アウトランダーがベースか、日産とのアライアンスのものを起用するかのいずれかであろう。

■パワートレーンはPHEVを採用…いつ出るの?

三菱自動車では、今後の電動車戦略について、PHEV(プラグインハイブリッド車)をコア技術とし、地域や車両サイズ、使われ方によってPHEVとBEV(バッテリー電気自動車)を提供する方針である。PHEVは日常の市街地走行はEV走行でクリーンかつ経済的な走り、遠出はハイブリッド走行とすることで航続距離の心配のない快適な走りを実現。三菱D:XコンセプトもPHEVを採用し、環境に配慮しながら走る喜びを提供する。今後の三菱自動車の戦略を考えると、次期型デリカもPHEVに進化するであろう。

そのほか、コンセプトカーでは走る・曲がる・止まるを統合制御する「S-AWC」を採用。どんな天候や路面でも、安全・快適にドライブすることができる。ドライバーには意のままの爽快なドライブを、同乗者には揺れの少ない快適な走りを提供。車高が高い1ボックスでありながら、乗用車ライクな乗り味を実現する。

現行デリカD:5はデビューから16年目を迎え、すでに熟成の域にある。次期型デリカはもうすぐ登場か?と期待したいが、三菱自動車の今後の商品投入計画では2026年以降の投入となる模様。これまでデリカD:5は国内でのみ販売されてきたが、これを機に世界展開も…。三菱自動車の持てる力を存分に注入した世界のPHEVミニバンへの飛躍に期待したい。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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