2020/07/21 コラム

64歳でもサポカー補助金がもらえるってホント!?

そもそもサポカーってなんだ?


少し前から「サポカー」という言葉がクルマ関係で使われている。サポカーの正式名称は「セーフティ・サポートカー」で、高齢運転者を含めたすべてのドライバーの交通事故発生防止・被害軽減対策の一環として、国が推奨する新しい自動車安全コンセプトだ。このサポカーにはランクがあり、もっとも優れている順に紹介すると、

・「サポカーSワイド」
・「サポカーSベーシック+」
・「サポカーSベーシック」
・「サポカー」

と4段階にランク分けされている。それぞれにマーク(アイコン)が付けられているが、基本デザインが同じで文字や色が微妙に違う程度なので見分けがつきにくい。最高ランクの「サポカーSワイド」は、対歩行者衝突軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置の2つ以上を装備、登録車の新車では最大10万円の補助金が交付される。新型コロナの特別定額給付金も1人当たり10万円だったが、購入時の10万円補助はかなり助かる。ちなみに軽自動車は7万円とちょっと金額が下がってしまう。「サポカーSベーシック+」「サポカーSベーシック」は、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が付いているのが条件で、登録車は6万円、軽自動車3万円になる。重要なのは、購入するクルマのサポカーのランクによって補助金の額が変わり、単なるサポカーだけではもらえないという点と、この補助金は新車だけが対象ではないという点だ。

中古車でも補助金を受けることができ、「サポカーSワイド」は4万円、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が付いている「サポカーSベーシック+」、「サポカーSベーシック」は2万円が補助される。ただしすべての中古車が対象ではなく、2020年3月9日以降に登録または届け出されたクルマで、グレードによって異なる場合がある。そのため国土交通省ではホームページで「対象サポカー補助金の対象となる車種・グレード等について」のタイトルで対象車種やグレードを明記(型式も記載)しているから、購入予定車が補助金の対象かがすぐにわかり、国産車に限らず輸入車も明記されている。


65歳以上…じゃなくても補助金が出る!


ここで紹介しているサポカー補助金制度のポスターを、もう一度よく見てほしい。上の目立つ位置に「65歳以上の方対象」と書かれている。「あっ、オレはまだ64歳だから補助金をもらえないのか…」とあきらめないでほしい。じつはポスターには、見えないほどの小さな文字で「令和2年度中に65歳以上となる方」と書かれている(老眼が進んだ高齢者をだますようなやり方だ)。またこうした補助金は“年度”を区切りに使いたがるが、ここにもトリックがある。「あっ、オレは4月1日が誕生日で令和3年に65になるんだけどダメか…」と思うかもしれないが、年度は4月1日までを含むため2021年4月1日に65歳になる人も補助金の対象になる。



●「65歳以上の方対象」の下をよーく見てみてほしい


コロナ禍の不況でクルマを買い替えることができない、と考えている高齢者もいるだろうが、このサポカー補助金制度は後付け装置でも最大4万円の補助金が出る。例えばトヨタの後付け装置で「踏み間違い加速抑制システム」、「踏み間違い加速抑制システムⅡ」、ダイハツのペダル踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」などが名称はいろいろあるが、どれも補助金の対象になっている。自動車メーカー製ではなくても、電装パーツメーカーなどの認定を受けた後付け装置も最大4万円がもらえる。例えばデータシステムは「ペダルの見張り番Ⅱ」や「アクセル見守り隊」という名称の後付け装置が対象。注意したいのはこうした装置を自分で購入して取り付けると、補助金は出ないという点。「後付け装置取扱事業者」が補助金を申請するため、指定業者であることを確認したい。


自治体でも補助金


ここまでは全国が対象の補助金だが、東京都は「高齢者安全運転支援装置設置補助制度」として2020年度に70歳以上となる都民を対象に補助金を最大10万円出している。この制度は2020年8月31日までに購入か装置の設置が必要で、前述の安全運転サポート車普及促進事業費補を受けないことが補助条件なので両方をもらうことはできない。


■サポカー補助金 問合せ窓口
ナビダイヤルTEL:0570-058-850
一般回線TEL:03-6831-0615
電話受付時間:9:00〜17:15(土曜、日曜、祝日は休み)


〈文=丸山 誠〉

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