2020/03/18 ニュース

ヴェルファイアが消える!? 5月予定のトヨタ全車種併売化でどうなるアルファード/ヴェルファイア

両雄がついに統合されてしまう…?

ホップ、ステップ、ジャンプ…まさにそんなところだろうか。初代はエルグランドの牙城を崩し、2代目で盟友・ヴェルファイアを従え地盤を固め、3代目で一気に豪華・勇壮/大胆・不敵路線を強調した。


アルファード

ヴェルファイア

そんな現行型30系アルファード/ヴェルファイア(以下アルヴェル)も、2015年1月の登場から丸5年が経過。普通のクルマであれば「そろそろ次期型を」というタイミングのはずだが、これが普通じゃないのだ。まずは下の表を見てほしい。

 


※2019年4月〜2020年2月のデータのみ11カ月分。順位は2019年1〜12月のデータ。一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名称順位」から

これは、ここ5年間のアルヴェルの販売推移を記したもの。数は1カ月当たりの平均販売台数だ(参考で代表的なトヨタ車も掲載)。

薄々は気づいていたが、アルファードの右肩上がりが止まらないのだ。一方、ヴェルファイアはその逆で、すでにダブルスコアの状態にある。

なぜアルファードのほうが売れているのか?

異変が起きたのは、2017年4月〜2018年3月期。この時期に何があったかといえば…そう、2017年12月のビッグマイナーチェンジだ。アルヴェルともに、見た瞬間、思わずひるんでしまうほどのギラギラマスクへ。ほかにも、新エンジンの搭載や機能装備の充実が図られた。

ちなみに、2017年当時の販売比率はアルファードの1に対し、ヴェルファイア1.1と後者が上まわっていた。立場が逆転した要因は、いくつか考えられる。そのひとつがエアロ系へのエグゼグティブラウンジ追加だ。

2015年のモデルチェンジ当初、フォーマルな使われ方を想定して標準車系だけとしていたが、ユーザーの要望に応えるカタチでエアロ系に新設。フタを開けると、初期受注の段階で、標準顔の約3倍もエアロのエグゼクティブラウンジが売れた。確かに望む声は少なくなかったのだ。



●2017年12月のマイナーチェンジで、エアロ系でエグゼグティブラウンジシートが備わるアルファードS、ヴェルファイアZを追加。同グレードには新たに写真の「ブラック&ホワイト」内装を追加。ほかにもV6エンジンの置換やレーントレーシングアシスト(LTA)も初採用

そしてもうひとつの理由が“顔”。アルファードのエアロ系には、ハルク・ホーガンの“ひげ”よろしく、メッキ加飾を追加。これがカスタム指向のユーザーを中心に大ヒット。一方、ヴェルファイアはより無機的で未来感のある顔つきを目指したが、これにはやりすぎとの声も。


●アルファードのエアロ系

それまでヴェルファイアが担ってきたカスタムベース車としての役割を、アルファードのエアロ系が担うようになったのではないだろうか。

また、アルファードとヴェルファイアの需要の違いとして、「アルファードは一般ユーザーに加えて法人のお客様も多い。年齢層が幅広いのが特徴です」とアルファード/ヴェルファイア専門店のスタッフも語っている。ヴェルファイアの年齢層が狭めなのは、“刺さる人には刺さるが”という現象か。アルファードの法人需要が多いというのも、比較的フォーマルに見える、ということだろう。

2020年5月に予定されているトヨタの全車種併売化により、アルヴェルどちらかの消滅がウワサされている。現時点でアルファードが消えることはまずないだろう。となると…。

〈文=driver@web編集部〉

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