2019/08/30 ニュース

ついにFF化! BMW新型1シリーズ登場

 
●M135i xDrive

伸びやかな水平ラインがなくなって……

BMWのCセグメントコンパクトモデル「1シリーズ」が2019年8月29日、3代目にフルモデルチェンジした。同日受注が開始され、納車は19年の11月ごろからを予定している。価格は334万円から。
●M135i xDrive
長らくBMWブランドのエントリーモデルとして人気を博してきた1シリーズ。3代目となるこの世代での最大のトピックは、従来のFRからFFのプラットフォームへと変わったこと。同じFFベースのX1やX2、マルチパーパス系の2シリーズとドライブトレーンを共有化したということだ。今までのコンパクトFRのイメージは、外観でも払拭されていることがわかる。フロントからリヤへ目を移して行くに従い、キックアップされていくサイドビューを見て完全に別物だと認識できる。今まではウエストラインが水平に伸びていたのだが、この世代ではSUV系や2シリーズと同じデザイン手法が用いられているようだ。特に後ろ斜めからのスタイリングは、ちょっと背の低いX1にも見える。
●M135i xDrive。キドニーグリルは真ん中での分断がなくなり一体化されている

●M135i xDrive。ヘッドライトは4灯式のLEDタイプ
ほかにも最新BMWのトレンドどおり、大型のキドニーグリルやLEDのライト類、L字型のテールランプなどが採用されている。なかでもキドニーグリルは、左右が真ん中でくっついた新しいデザインが取り入れられた。
●M135i xDrive

●M135i xDrive。新デザインのL字型テールランプが特徴的

●M135i xDrive。直径100mmの左右2本出しマフラーは、M135iの専用装備

次ページは、インテリアやエンジン、最新機能など


●M135i xDrive
 

話題のハンズ・オフは見送り?

FF化して1番恩恵を受けるのは室内の広さ。新型1シリーズも例にはもれず、後席足元のスペースが先代よりも40mm拡大し、ラゲッジルームも先代から20リットル増加している。
●M135i xDrive

●M135i xDrive

●M135i xDriveのラゲッジスペース。フロアが深くえぐられ、写真の通常時では先代から20リットル増加し380リットル。後席を倒すと最大1200リットルまで容量が拡大する
 コックピットまわりは、先代と比べて1番進化を感じるポイントかもしれない。こちらも最新のBMW流が生かされ、逆回転のタコメーターが印象的な全面液晶のメーターや、大型センターディスプレイ、コマンドダイヤルや最新のシフトノブなど、3シリーズとほぼ同じ内容の装備が奢られている。乗り込むとすぐ目に飛び込む部分なだけに、進化度合いがわかりやすい。
●M135i xDrive

●M135i xDrive

●M135i xDrive
そして、話題のAI技術を使った会話型音声認識システム「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」も設定され、システム起動の合言葉を自分の好きな単語に変えられる機能も3シリーズ同様に備わる。先進安全運転支援ももちろん装備しているが、3シリーズで採用された3眼カメラによる認識機能と、高速道路でハンドルから手を離しても自動でステアリングする「ハンズ・オフ」の機能は、まだ実装されていないようだ。
●M135i xDrive。シフトレバーの前方に、無接点充電のスマートフォン置き場を設けている
 

最新電子デバイスで走りも楽しめる!

パワートレーンは3気筒と4気筒のガソリンエンジンをラインアップ。ベーシックなグレード「118i」は装備違いで3タイプ用意されるがエンジンはすべて共通。1.5リットルの3気筒ターボで140馬力/220Nmを発生し、前輪駆動となる。4気筒は「M135i」のみで、こちらは2リットルターボで306馬力/450Nm。文字どおりのハイパフォーマンスモデルだ。このM135iのみ4WDのxDriveを搭載している。
●M135i xDriveの2リットル直4ターボエンジン。306馬力/450Nmの高スペックが自慢だ
FRにも負けないハンドリングを実現するための新機能も見逃せない。この新型1シリーズには、BMWとしては日本初導入のARB(タイヤスリップ・コントロール・システム)と呼ばれる機能が実装されている。これはFF車で問題になるアンダーステア(コーナリング中に進路が外側へ膨らむ現象)を抑制するのが目的で、タイヤのスリップ状況をエンジンコントロールユニットが直接感知しエンジンへ伝達する。通常のDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)を経由する制御に比べ、約3倍も伝達が早くなるようで、今までのFF車よりも俊敏な走行性能を実現しているそうだ。
●M135i xDrive。ホイールサイズは225/40R18
初めてBMWに乗る人にとっても、既存オーナーのダウンサイジング要望にも条件を満たしてくれそうな、3代目の1シリーズ。各社がしのぎを削るCセグメント市場に、また魅力的な1台が登場した。ユーザーにとっては、悩ましい選択肢がさらに増えてしまったようだ。 <文&写真=編集部・青山>
●価格とバリエーション(価格は消費税率10%込み)M135i xDrive       630万円118i Mスポーツ      413万円118i プレイ        375万円118i           334万円●主要諸元■M135i xDrive(4WD・8速AT) 【寸法・重量】全長×全幅×全高:4355㎜×1800㎜×1465㎜ ホイールベース:2670㎜ トレッド:前1565/後1560㎜ 最低地上高:155㎜ 乗車定員:5人 【エンジン・性能】種類:直4DOHCターボ 総排気量:1998cc ボア×ストローク:82.0㎜×94.6㎜ 圧縮比:9.5 最高出力:225kW(306ps)/5000〜6250rpm 最大トルク:450Nm(45.9㎏m)/1750〜4500rpm 使用燃料・タンク容量:プレミアム・50ℓ 最小回転半径:5.7m 【諸装置】サスペンション:前ストラット/後マルチリンク ブレーキ:前Vディスク/後ディスク タイヤ:前後225/40R18■118i プレイ(FF・7速DCT) 【寸法・重量】全長×全幅×全高:4335㎜×1800㎜×1465㎜ ホイールベース:2670㎜ トレッド:前後1565㎜ 最低地上高:155㎜ 乗車定員:5人 【エンジン・性能】種類:直3DOHCターボ 総排気量:1499cc ボア×ストローク:82.0㎜×94.6㎜ 圧縮比:11.0 最高出力:103kW(140ps)/4600~6500rpm 最大トルク:220Nm(22.4㎏m)/1480~4200rpm 使用燃料・タンク容量:プレミアム・50ℓ 最小回転半径:5.7m 【諸装置】サスペンション:前ストラット/後マルチリンク ブレーキ:前Vディスク/後ディスク タイヤ:前後205/55R16
 

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