2019/07/23 ニュース

人とロボットの共生する未来が感じられる!? トヨタ、東京オリパラをさまざまなロボットでサポート【東京2020オリパラ】

トヨタは2019年7月22日、2020年夏に開催する東京オリンピック・パラリンピックにおいて、さまざまなロボットを活用し大会をサポートしていくと発表した。オリンピック・パラリンピックのワールドワイドサポーターであるトヨタは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、従来の車両提供の枠を超えたモボリティソリューションの提供を目指す。今回発表したロボットは、遠隔地にいる人がアスリートなどと交流したり、会場から離れたところにいる人でも大会の雰囲気をリアルに感られるものや、フィールド競技をサポートし競技運営を支援するもの、車いすを利用する人が心おきなく観戦を楽しめるように生活支援ロボットでサポートするものなど全5種。 

公式マスコットがコミュニケーションするロボットに!


●東京2020マスコットロボット ミライトワ/ソメイティ

東京2020マスコットロボットミライトワ/ソメイティ

東京オリンピック・パラリンピックは、史上もっともイノベーティブな大会を目指しており、トヨタは東京2020組織委員会とともに大会マスコットのロボットを開発。これを大会関連施設などに配置し、選手や観客を歓迎するために活用。さらに子供たちがマスコットロボットを通じて、新たな形で大会を楽しめる企画も検討している。マスコットロボットは離れたところにあるマスコットロボットどうしで腕の動作や力の感覚などを相互に共有でき、離れたところにいてもコミュニケーションが図れる仕組み。頭部にカメラを内蔵するほか、全身に小型関節ユニットを搭載しており、安全かつ高い運動性能を発揮。近づく人を認識して、目の表情と動作を連動させてさまざまな感情を表現できる。
●さまざまな目の表情と、手と足の動作で感情を表現。遠隔のマスコットロボットどうしで腕の動作や力の感覚を共有する
 

アスリートとバーチャルでリアリティたっぷりにハイタッチできる!?


●T-HR3

T-HR3[ヒューマノイドロボット]

遠隔地で大会を観戦する人が、T-HR3とマスコットロボットを介してアスリートなどと交流できる。マスコットロボットがコントローラーとなりT-HR3を操作。動きや力を相互に伝達する。これに映像や音声を加えて、アスリートなどとのハイタッチや会話できる仕組み。まるで目の前で交流しているかのような臨場感あふれる体験を提供するのだ。
●操縦者は上腕にT-HR3とリンクする装置を身に付け、ゴーグルを装着。操縦者の動きに合わせT-HR3が連動する。マスコットロボットをコントローラーとして連動も可能

●T-HR3は実に細かな動きを見せる。ゴムボールを持つ感覚や重さなどは操縦者も感じられる
 

大会会場に足を運べなくても臨場感豊かに応援できる


●T-TR1

T-TR1[遠隔地間コミュニケーションサポートロボット]

アメリカのトヨタリサーチインスティテュートで開発されている、カメラとディスプレイを搭載した移動型ロボット。遠隔地にいる観客を縦長のディスプレイに表示。遠方にいながらその場にいるかのような体験ができるものだ。T-TR1を通じて、大会会場などに来られない人や大会に思いを寄せる人が仮想的に参加したり、コミュニケーションが取れる機会を提供するために活用する。
●上部に360度を見回せるカメラを搭載

●遠隔地にいてもモニターで大会会場などの様子を感じられる

●ディスプレイ下部にセンサーカメラとライダー(Lidar)を搭載。遠隔操作が可能なほか、引率者に追従した走行も可能。バッテリーを搭載し2時間程度稼働する

●点字ブロックの上もなんなく走行可能
 

投てき競技で投てき物を安全に運搬。自律走行で運営スタッフの負担を軽減


●FSR

FSR(Field Support  Robot)[フィールド競技サポートロボット]

オリンピックスタジアムでの陸上投てき競技などで活用する自律走行機能付きのロボット。槍(やり)投げやハンマー投げなど投てき競技において、投てき物の回収や運搬を行うもので、最適な経路を選択して自律走行する。運営スタッフに追従して走行し、投てき物を回収後に選手待機エリアまで自律走行。障害物を回避した走行も可能だ。従来は投てき物をスタッフが回収してからフィールド外の安全エリアで無線操縦車両に搭載、投てき物の運搬を行っていたが、FSRは自律走行により投てき物回収地点まで近づけるため、運営スタッフの労力を低減できるとともに回収時間も短縮できるという。FSRのベースとなったのは、工場などで活用しているAGV(無人搬送車)の技術。今後、2019年秋に開催する茨城国体などで試験運用を実施し、完成度を高めていくという。
●槍(やり)やハンマーなどを本体に収納して回収、選手待機エリアまで自律走行で運搬

●ボックス内は、槍やハンマー、円盤を収納できるようになっている

●車両前方上部にセンサーカメラを3ユニットとライダー(LiDER)を搭載。これで前方180度の範囲で距離や障害物の位置などを検知し自律走行。車両後部にはGPSアンテナも搭載

●センサーで周囲の状況を検出。ライン状のコミュニケーションLEDの赤いところは左手前の人物を検出していることを表す。障害物が近づくと自動停止する

●デモンストレーションでは、カメラとライダー(LiDER)センサーが捉えた情報をモニターに表示していた。画像とグラフで障害物との距離を検出している
 

車いす観戦をより快適にするエスコート&お買い物ロボット


HSR(Human Support Robot)/DSR(Delivery Support Robot)[生活支援ロボット]

HSRはオリンピックスタジアムの一部の車いす席で、観戦席への誘導や物品運搬などを行うロボット。観客が心おきなく観戦を楽しめるようにサポートする。東京2020大会専用に開発したDSRは、専用タブレットからオーダーされたドリンクなどの物品を届けてくれるロボットだ。これらのサポートロボットは陸上競技種目で活用される。オリンピック・パラリンピックそれぞれの大会期間中で約500席ずつ、計約1000席(各セッション16組32席を予定)で車いす席の観戦サポートを実施予定だ。
●HSR(Human Support Robot)

●DSR(Delivery Support Robot)
 
トヨタhttp://toyota.jp https://driver-web.jp/articles/detail/18888/

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