2018/08/28 コラム

シーラカンスと呼ばれて


●カタチはやや先祖帰りした感のある新型ジムニー
初代は11年、2代目は17年、そして3代目が20年ときたら、新型4代目は……? 1970年誕生の初代から48年でたった4代と、モデルサイクルの長いスズキ「ジムニー」。そういえば、以前にもそんな国産車があったなぁ……と思い浮かんだのが、三菱「デボネア」です。
●最初の東京オリンピックの年に生まれました(初代デボネア)
初代デボネアが誕生したのは、東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年。前年開催の全日本自動車ショーで「三菱コルト・デボネア」として発表されました。そのデザインは元GMのデザイナー、ハンス・プレッツナーの手によるもの。なるほど、当時の古きよき時代のアメリカ車を思わせる独特のカタチです。
●こちらは2代目デボネアV。生産期間は1986〜92年と、初代に比べりゃ超短命?
以後、エンジンのOHC化(最終モデルまで直4に3速ATの組み合わせ)や細かな意匠変更こそ施されましたが、基本設計やデザインを変えずに、86(昭和61)年の「デボネアV」の誕生まで22年間、三菱の最上位モデルとして君臨。長らく姿を変えなかったことから「走るシーラカンス」なんて異名で呼ばれていました。
●クラウンは2代目(62〜67年)〜7代目(83〜87年)まで知ってます
初代デボネアの22年と、3代目ジムニーの20年。前者のほうが “時間が止まった” 感がはるかに長く(大きく)感じられるのは、同じカテゴリーに比較されるライバルがいたからでしょう。当時のデボネアのライバルは、クラウンやセドリック。両車のモデルサイクルは4年ほど。単純計算でも、22年のうちにライバルは5世代変わっているわけで。そりゃ古く感じないほうが不思議です。
●3代目ジムニー(1998〜2018年)。歴代では意匠変更は少ないほう
一方、3代目ジムニーは、初代デボネアほど「古くなったなぁ」という印象は受けません。いや……古くない? あらためて見ると、3代目もいいデザインだったなと思いませんか?
●タクシー仕様として、1987年からNV200バネットが登場する2014年まで27年間現役を張ったY31セドリックセダン。なにげに隠れ長寿モデル
ほかにも、モデルチェンジをせずに20年以上生き抜いたモデルとして、2代目トヨタ センチュリー(1967〜1997年/30年)や2代目 日産サニートラック(1971〜1994年/23年)などがあげられます。三菱ジープに至っては1953年から98年までの45年、カタチもほとんど変えずに生産されました。そんなご長寿モデル、今後どれだけ生まれてくる(残っていく)のでしょうか。(編集部)

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