2018/06/22 ニュース

センチュリーが21年ぶりに大刷新! 3代目はやっぱりスゴいのか!?

トヨタは2018年6月22日、高級セダン「センチュリー」をフルモデルチェンジし全国のトヨタ店(東京地区は東京トヨペットも)で発売した。価格は1960万円。センチュリーは、トヨタグループの創始者である豊田佐吉氏の生誕100年を記念して、1967年に発売。以降50年にわたって日本を代表するショーファーカーとして活躍してきた。じつに21年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となったセンチュリー。すべてを一新したショーファーカーはいったいどれだけすごいのか?
開発テーマは「継承と進化」。「匠の技」と「高品質なものづくり」を継承しながら、新たにハイブリッドシステムを投入し、高い環境性能を実現する。
伝統と品格を守りながら、華やかさや先進感のある外観や、VIPが快適に過ごせる後席空間を追求したショーファーカーとしての魅力、乗り心地や静粛性、走行安定性などの向上によるすべてに超高級セダンらしい進化を遂げているのだ。新型センチュリーの月販目標台数は50台。トヨタ自動車東日本の東冨士工場で生産される。 

伝統と品格を守りながら「華」を感じさせるエクステリアデザイン


外観デザインは日本の美意識に通じる性的な均整感を保ちながら、後席を上座にする独自の思想を造形に表したという。サイドビューは傾斜の少ないCピラーを採用することで後席の存在感を強調、ショーファーカーらしさと、センチュリーだとひと目でわかるデザインに仕上げている。

ボディサイドはドア断面の美しいカーブを追求。ショルダー部のキャラクターラインは「几帳面」と呼ばれる、平安時代の屏障具(へいしょうぐ=目隠しなどの仕切りとして使われる調度品)の柱にあしらわれた面処理の技法を採用。2本の線を角として研ぎ出して1本の線に見えるように際立たせている。 

センチュリーの象徴でもあるフロントの「鳳凰(ほうおう)」エンブレムは、工匠がていねいに彫り込み、躍動感のある翼の動きや繊細な羽毛を表情豊かに描き出した金型から作り出される。フロントグリルは立て格子の奥に七宝模様を配置。奥行き感のある二重構造とすることで「品位ある華」を表現している。 
●水研ぎ

●鏡面仕上げ
新規開発の外板色、エターナルブラック「神威(かむい)」は、漆黒感を高める黒染料入りカラークリアなど、7層の塗装に研ぎと磨きを加えて深いツヤと輝きを追求。さらに日本の伝統工芸である漆塗りを参考に、流水のなかで微細な凹凸を修正する”水研ぎ”を3回行い、最後に”鏡面仕上げ”を施すという手の込みようだ。 

すべては後席のVIPのために


センチュリーの3サイズは全長5335mm×全幅1930mm×全高1505mm。ホイールベースは3090mmで、先代に比べ65mm延長したぶんは後席スペースの拡大に充てられている。これにより、ヒザまわりや足元にゆとりが生まれ、広々とした後席空間となっている。また、後席のスカッフプレートとフロアの段差を先代に比べて15mm縮小。フロアマットを装着するとフラットになり、乗降性が向上している。

前後席空間は本杢オーナメントを配した「折り上げ天井様式」で区切られている。天井は「紗綾形(さやがた)崩し柄」という”卍”を組み合わせた織物を採用し、格調ある後席空間を演出する。後席シートは、左側に座り心地を追求したリフレッシュ機能付き電動シートを採用。無段階調整の電動オットマンも備わる。

さらに11.6インチリヤシートエンターテインメントシステムを搭載。12chオーディオアンプと20個のスピーカーを最適配置。臨場感あふれるエンターテインメント空間を楽しめる。また、後席アームレストには7インチ大型タッチパネルを備え、オーディオや、エアコン、シート、リフレッシュ機能、カーテンなどの操作が可能だ。 

5L・V8エンジン+モーターを新搭載


気になる動力性能は、V型8気筒5Lハイブリッドシステムを新たに搭載。スムーズかつ余裕のある走りと高い環境性能を両立する。JC08モード燃費は13.6km/Lだ。

[ハイブリッドシステム主要諸元]

【エンジン・性能】型式:2UR-FSE 種類:V8DOHC 排気量:4968cc 最高出力:280kW(381ps)/6200rpm 最大トルク:510Nm(52.0kgm)/4000rpm 【モーター・性能】最高出力:165kW(224ps) 最大トルク:300Nm(431kgm) 【システム全体】出力:317kW(431ps) 【駆動用バッテリー】ニッケル水素
また、熟練の匠が時間と手間をかけて防音材を透き間なく組み付けるなど、徹底的な防音対策を施している。これに加えて、アクティブノイズコントロールによって、エンジン起動時の音や振動を相殺。圧倒的な静粛性を実現している。乗り心地の面では、AVS機能付き電子制御サスペンションの採用や、構造用接着剤によるボディ剛性の向上、乗り心地に特化した新開発タイヤを採用するほか、サスペンションアームやブッシュ、マウントなどのゴムパーツなど細かくチューニングすることで、ソフトで目線の動きを抑えたフラットな乗り心地を実現しているという。 

先進安全装備を搭載

安全性能は先代モデルと比べて格段に向上したのも見逃せない。トヨタの予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を搭載するとともに、となり車線の死角を走行する車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、駐車支援機能「パーキングサポートアラート」を採用する。「トヨタセーフティセンス」の「プリクラッシュセーフティ」は、前方の車両や歩行者(昼間)を検知、衝突回避支援または被害軽減を図るタイプで、夜間歩行者と自転車運転者を検知する第2世代ではない。そのほか、「全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール」や「アダプティブハイビームシステム」などを搭載する。また、ヘルプネット(エアバッグ連動付き)を新たに採用。事故や急病時に専門のオペレーターが警察や消防に取り次ぐほか、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続する。さらに、車両データを基に重症度を推定してドクターヘリなどの早期出動判断を行う「D-Call Net」にも対応する。 デザインはもちろん、インテリアのしつらえや快適性、動力性能、そして安全性装備まで、最新の技術と技を惜しみなく注ぎ込み、後席に最上級のおもてなし空間を提供する3代目センチュリー。自らステアリングを握らないのであれば、この上ない至福の後席空間が広がっているのだ。 

[カラーバリエーション]


●神威(かむい)エターナルブラック

摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ

●飛鳥(あすか)ブラッキッシュレッドマイカ

●精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック
   
センチュリーの詳しい情報はこちら 
トヨタhttps://toyota.jp  

RANKING