2018/05/01 ニュース

トヨタ&タナック優勝からわかる王者の可能性!? WRC2018 Rd.05 ラリー・アルゼンチン

Rd.05 YPF Rally Argentina 2018

予想されるトヨタの快進撃。その理由とは?

トヨタ勢が速さを見せ、タナックが今季初の勝ち星をトヨタにもたらした。今年のヤリスの速さは、昨シーズンと一味違うようだ。その理由は、今回の第5戦ラリー・アルゼンチンでの勝利。このラリーはここ数年、そのシーズンを占うグラベルラリーとしても見られるようになった。第3戦メキシコのような2000mを超えるような高地でもなければ、異常気象も少ない。いわゆる特殊な条件下ではない、シーズン最初のグラベルラリーなのだ。ここで速さを見せられれば、そのシーズンのグラベルでは必ず上位争いができるマシンだということを意味する。そんなラリー・アルゼンチンで、トヨタのタナックがライバルを寄せ付けない速さを見せた。全18ステージのうち、タナックが奪ったステージベストは半分以上の10本。ラリー序盤デイ2午前のSS5で総合首位に立ったあとは、一度もその座を譲らず勝利した。総合2位とのタイム差はSS16フィニッシュ後が最大で、49秒。まさに圧勝だった。
©︎Redbull ●フィニッシュでマシンのルーフに乗り勝利を喜ぶタナック(左)とコ・ドライバーのヤルヴェオヤ
今回のアルゼンチンのステージ平均スピードは、ギャラリー向けのスーパーSSだったSS1を除けば、およそ73~116km/h。スピンを喫したSS2以外でタナックがどのステージでも上位5位以内に入っていると言えば、ヤリスの速さが分かるだろう。高速ステージでの速さには昨年から定評があったヤリスWRCだが、中低速のステージでもいいタイムが出ているということは、マシンが全速度域で仕上がっているということ。今年移籍して来たばかりのタナックがすでに乗りこなしていることからみても、ピーキーになりがちな現在のWRカーのなかではヤリスは比較的乗りやすい特性を持っているのかもしれない。ちなみに、今回はSS3でリタイヤしてしまったが、チームメイトで元VWワークスのラトバラからも「今年のヤリスは速い」とラリー中に公式コメントが出ている。すでに5戦を終えたWRCの今シーズンは残り8戦。そのうちグラベルは6戦ある。トヨタは現在マニュファクチャラーズランキングで3位だが、今回のラリーを見たらここからの快進撃をどうしても期待してしまう。ドライバーの3人も、比較的グラベルのほうが得意だ。ライバル勢も当然手強いが、十分チャンピオンを狙えるのではないだろうか?

©︎Redbull ●すでに今季3勝をあげている、5連覇中の絶対王者オジェ。彼を止められるのは誰なのだろうか?
まずは次戦から続くヨーロッパでのグラベル3連戦、ここに注目だ。ポルトガル、サルディニアと続き、3連戦の最後は超高速グラベル&連続ジャンプが名物のホームイベント、ラリー・フィンランドが待ち受ける。このグラベル3連戦でいい成績を収められれば、王座はもっと近くに見えてくるのではないだろうか? ますます今後のラリーから目が離せなくなってきた!

©︎Redbull ●ヒュンダイのエース、ヌービルの安定感も恐い存在だ。チャンピオンを虎視眈々と狙っている
 第5戦ラリー・アルゼンチン 2018 最終リザルト1.O・タナック(トヨタ)     3h43m28.9s2.T・ヌービル(ヒュンダイ)   +37.7s3.D・ソルド(ヒュンダイ)    +1m15.7s4.S・オジェ(フォード)     +1m58.6s5.A・ミケルセン(ヒュンダイ)  +2m02.6s6.E・エヴァンス(フォード)   +3m06.3s 
WRC 2018 ドライバーズ ポイントスタンディングズ1.S・オジェ(フォード)     100 p2.T・ヌービル(ヒュンダイ)   90 p3.O・タナック(トヨタ)     72 p4.A・ミケルセン(ヒュンダイ)  54 p5.D・ソルド(ヒュンダイ)    45 p6.K・ミーク(シトロエン)    43 p7.E・ラッピ(トヨタ)      40 p8.J・ラトバラ(トヨタ)     31 p9.E・エヴァンス(フォード)   26 p10.C・ブリーン(シトロエン)   20 p WRC 2018 マニュファクチャラーズ ポイントスタンディングズ1.ヒュンダイシェルモービスWRT       144 p2.MスポーツフォードWRT                  129 p3.トヨタGAZOOレーシングWRT        124 p4.シトロエントタルアブダビWRT       93 p 

 

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