2018/03/28 ニュース

日産リーフ、再生バッテリーによる有償交換プログラムを開始。新品の半値以下で

日産自動車は2018年3月26日、「日産リーフ」の使用済みバッテリーを再生品化し、有償交換プログラムとしてサービスの提供を開始すると発表した。日産は新型EVの開発・販売だけでなく、再生可能エネルギーの活用やインフラの充実に向けた取り組みなど、EVの普及や持続可能なモビリティ社会を構築するために包括的な取り組みを行っている。住友商事との合弁会社である、フォーアールエナジーが手がける使用済みバッテリーの再製品化技術によって、「日産リーフ」の再生バッテリーを新たに有償交換プログラムとしてサービスを開始。今回は24kWhの再生バッテリーを32万4000円で提供する。今後、その他のバッテリー(30kWhや40kWh)についてもラインアップする予定だ。
ちなみに新品バッテリーの有償交換は24kWhが70万2000円。再生バッテリーへの交換なら半額以下だ。これに交換工賃(約4万円〜)を含めると37万円程度で交換できることになる。このほかの新品バッテリーは30kWhが86万4000円、40kWhが88万5600円となっている。「日産リーフ」の世界販売台数は累計で30万台以上となっている。今後、さらにEV市場が拡大すれば、使用済みバッテリーの台数増も見込まれる。再生バッテリーが活用されることで、愛車に長く乗り続けられるのは、ユーザーにとってもメリットとなるだろう。 
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回収されたバッテリーを選別して再生、製品化


今回の「再生バッテリーを使った有償交換プログラム」で製品化される再生バッテリーは、同日に福島県双葉郡浪江町にて開業した「使用済みEV用バッテリーの再製品化専用工場」で再生される。
24kWhバッテリーは先代リーフに搭載されていたものだ。再生バッテリーが製品化されるまでの工程はというと、まず、回収されたバッテリーに組み込まれている48個のモジュールの性能を個別に測定し、劣化の程度を3つのグループに分ける。劣化度の少ない高品質なモジュールがリーフのバッテリーとして再生される。ちなみに、中程度の品質のものを電動フォークリフトなどに、充電容量が低下しつつもまだ利用できる範囲にあるものについては、工場の変電施設などのバックアップ用バッテリーとして再利用されるという。測定で高品質と診断され、リーフ用のバッテリーとして再生されることになったモジュールが48個集められ、1つのユニットとして再生バッテリーとして製品となる。 

新品との違いは?


気になるのは、新品とどう違うのか? というところだろう。先代リーフはメーター内の残電量計の横に、バッテリーの充電容量(劣化度)がわかるインジケーターが表示されている。新品時は12セグメントが表示されているのだが、劣化が進むにつれて表示されるセグメント数が減っていく。再生バッテリーでは、この表示が10セグメント以上のものが供給されるという。すなわち、必ずしも新品同様というわけではない。でも、新品の半値以下の価格設定であることを勘案すれば、費用対効果は高いだろう。ちなみに先代リーフのバッテリーは、5年もしくは10万kmの保証期間内で8セグメントを下まわった場合は、無償修理対象だ。今回供給を開始する24kWhの再生バッテリーだが、交換できるのは同等品搭載車のみとなる。低価格だからといって、30kWh仕様車には搭載できない。こちらのオーナーでバッテリーの交換を検討している人は今のところ新品バッテリーの交換となる。回収される量やバッテリーの状態によって、再生されるバッテリーの量も変動する。だから、必ずしも”欲しいときにすぐに再生バッテリーに交換できる”というものではない。ということも気にとめておきたい。「再生バッテリーを使った有償交換プログラム」の24kWh再生バッテリーは5月、おおむねゴールデンウイーク明けに供給が開始されるもようだ。
 
日産自動車http://www.nissan.co.jp/  

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