2023/02/01 コラム

秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使った特殊詐欺…その手口とは

今井亮一 Ryoichi Imai

東京高等地方簡易裁判所合同庁舎

■被告人「26歳」

東京の狛江市で強盗殺人、被害者は90歳の女性。主に関東圏で数人の強盗団が出没。「裏バイト」「高収入」、インスタの闇サイトに応募、などと盛んに報じられている。「あっ」と私は思い出した。似たような裁判を傍聴したぞ！

東京地裁、罪名は「住居侵入、強盗」。今井がなぜそんなのを、と思われるかもしれない。オービス裁判に熱中するうち傍聴マニアになってしまい、いろんなのを傍聴しているのだ。これ、んまあびっくりな事件だった。ちょっと長くなるが、ぜひお伝えしたい。

被告人は26歳。以下、A男としよう。保釈されている。上着の丈が短くぴっちりした黒スーツに黒系ネクタイ。普通におとなしそうな若者だ。

共犯者とともに都内の団地の72歳男性方へ、ガスの点検業者を装って侵入。男性の口に粘着テープを貼り、手足も体も粘着テープで縛り、現金30万円及びキャッシュカード（以下、CC）を奪った、そこまでは報道されている。甲4号証は被害者の調書だ。メモしきれなかった部分を「…」でつなぐ。

甲4号　「ガス点検業者…2人組…作業着…信じきってしまった…入ってきた犯人は、玄関のブレーカーを点検するふりを…若い男（A男）が突然、両肩をつかんで布団に押し倒した…両手首、両足首、胴体、太腿…ガムテープでぐるぐる巻き…何をされるか分からないと思い、財布…CCの暗証番号を教えた…」

乙2号証はA男の調書。この調書が圧巻だった。

乙2号　「（犯行の）2日前に、彼女（当時の交際相手）のいとこから電話が…23日に何か用事あるか…ないと答えた…テレグラムでやりとり…言われるがまま個人情報を伝えた…」

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ドライバーWeb編集部

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