ルノー ジャポンは、コンパクトSUV「キャプチャー」に「E-TECH HYBRID（イーテックハイブリッド）」搭載車を追加し、9月1日より発売する。価格は374万〜389万円。
キャプチャーは、ルノー・日産・三菱のアライアンスにより設計された軽量・高剛性のモジュラープラットフォーム、CMF-Bプラットフォームを採用。しなやかなアスリートの筋肉をほうふつする躍動感とエレガントな曲線が魅せる、洗練されたフレンチデザインをまとったエクステリアや、クラスを越えた高い質感のインテリア、先進の運転支援システムを備えたコンパクトSUV。
従来の1.3Lガソリンターボエンジン+7速DCT搭載車に加え、新たに軽量・コンパクトで、ダイレクトかつスムーズなドライブフィールが特徴のハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」搭載車をラインアップに加えた。
「E-TECH HYBRID」の搭載は、2022年5月に販売を開始したＣセグメントSUVのアルカナ、同年6月に販売開始のコンパクトカー、ルーテシアに続く3モデル目の投入となる。
また、キャプチャー E-TECH HYBRID搭載モデルはエコカー減税（免税）、環境性能割（非課税）の対象となることもトピックだ。
ハイブリッドシステムに独自開発12速ATを採用「E-TECH HYBRID」は、ルノーがF1で培ったノウハウを活用し、独自開発したハイブリッドシステム。メインモーターであるＥモーターとHSG（ハイボルテージスターター＆ジェネレーター）の2つのモーターと1.6L直列4気筒自然吸気エンジンに、電子制御ドッグクラッチマルチモードATをドッキング。ダイレクトかつスムーズなドライブフィールと、WLTCモードで22.8km/という輸入SUVトップの燃費性能を達成している。
エンジンはルノーと日産のアライアンスを活用し、日産のHR16型を採用（ルノーの型式はH4M）。エンジンマッピングやピストン、コネクティングロッド、クランクシャフトなどを新たに開発してE-TECH HYBRIDに最適化させた。
このハイブリッドシステムにの最大の特徴である電子制御ドッグクラッチマルチモードATは、モータースポーツで使用されるドグクラッチを採用することで、通常のATに備わるクラッチやシンクロナイザーを省き、ギヤボックスの軽量・コンパクト化を実現。
モーター側に2つ、エンジン側に4つのギヤを設け、これらのギヤを組み合わせた12通りの変速比でモーター、エンジンそれぞれからの動力を切れ目なく、かつ効率よく引き出すことが可能となっている。
走行状況に応じてモーターとエンジンをもっとも効率よく組み合わせることで、燃費の向上や排出ガスの削減を図り、かつレスポンスのいい快適な走りを楽しめる。
発進時や低速域ではモーターのみが駆動。モーターならではの力強いトルクが得られ、かつスムーズな走行が可能だ。ちなみに搭載する駆動用バッテリー容量は1.2kWh（250V）で、市街地走行時にはバッテリーからの電力を使用して積極的にモーターのみで走行、燃費向上に貢献する。
中速域ではモーターとエンジンの組み合わせで、素早いレスポンスと途切れのない加速感を味わえる。
また、ハイブリッド車があまり得意としない高速域では、巡航時は効率のいいエンジン~の駆動力を積極的に使用。追い越しなどではこれにモーターのアシストが加わり力強いアシストが得られる。
1.3Lガソリンターボモデルとの違いは少ないキャプチャー E-TECH HYBRIDは、10.2インチフルデジタルメーターやリヤクロストラフィックアラート、シフトベース部やリヤゲートの「E-TECH」ロゴ、パッケージオプションとして「レザーパック」（レザーシート+運転席電動シート）を専用装備。パワートレーン以外は既販モデルとの違いは少ない。
運転支援システムとして、先進の運転・駐車支援システム「ルノーイージードライブ」にはアダプティブクルーズコントロール（ストップ＆ゴー機能付き）やレーンセンタリングアシスト（車線中央維持支援）、ハイウェイ＆トラフィックジャムアシスト、360°カメラ、オートハイ／ロービーム、パーキングセンサー（フロント、リヤ）など運転時の疲労軽減や快適性を高める機能を標準搭載。
歩行者・自転車運転者検知機能付きのアクティブエマージェンシーブレーキ（衝突被害軽減ブレーキ）やブラインドスポットワーニング（後側方車両検知警報）、レーンキープアシスト（車線逸脱防止支援）／レーンデパーチャーワーニング（車線逸脱警報）、トラフィックサインレコグニション（交通標識認識）、セーフティディスタンスワーニング（前方車間距離警報）といった予防安全技術も搭載している。
［キャプチャーのバリエーションと価格］〈FF・1.6Lエンジン+モーター・電子制御ドッグクラッチマルチモードAT〉E-TECH HYBRID レザーパック：389万円
E-TECH HYBRID ：374万円
〈FF・1.3Lターボエンジン+モーター・7速DCT〉インテンス テックパック：332万円
インテンス：309万円
［主要諸元］■E-TECH HYBRID
（FF・ドッグクラッチマルチモードAT）主要諸元【寸法・重量】全長：4230mm
全幅：1795mm
全高：1590mm
ホイールベース：2640mm
トレッド：前1555mm／後1540mm
最低地上高：172.5mm
車両重量：1420kg
乗車定員：5人
【エンジン・モーター・性能】エンジン型式：H4M
エンジン種類：直４DOHC
ボア×ストローク：78.0mm×83.6mm
総排気量：1597cc
圧縮比：10.8
エンジン最高出力：69kW（94ps）／5600rpm
エンジン最大トルク：148Nm（15.1kgｍ）／3600rpm
使用燃料・タンク容量：プレミアム・48L
メインモーター（Eモーター）型式：5DH
モーター種類：交流同期電動機
モーター最高出力：36kW（49ps）／1677〜6000rpm
モーター最大トルク：205Nm（20.9kgｍ）／200〜1677rpm
サブモーター（HSG）型式：3DA
モーター種類：交流同期電動機
モーター最高出力：15kW（20ps）／2865〜10000rpm
モーター最大トルク：50Nm（5.1kgｍ）／200〜2865rpm
駆動用バッテリー種類：リチウムイオン電池
WLTCモード燃費：22.8km/L
最小回転半径：5.4ｍ
【変速比】〈エンジン側〉
1速：2.197
2速：1.270
3速：0.771
4速：0.578
〈モーター側〉
1速：2.260
2速：0.872
後退：2.260
最終減速比：4.928
【諸装置】サスペンション：前ストラット／後トーションビーム
ブレーキ：前Ｖディスク／後ディスク
タイヤ：215/55R18
〈文＝ドライバーWeb編集部 写真＝佐藤正巳〉
