2022/07/04 旧車

きっかけは生田絵梨花さんとテレビCM共演!? 日産パオ、ラシーンの中古車価格が上昇中

生田絵梨花さんがイーデザイン損害保険のテレビCMに出演

2022年5月に10周年記念コンサートを日産スタジアムで開催した乃木坂46。2011年にAKB48の公式ライバルとして登場した女性アイドルグループだが、現在日本を代表するトップアイドルグループとなり、アジア圏でも高い人気を誇っている。

そんな乃木坂46に在籍中も人気で、卒業した現在も俳優・歌手として活躍している生田絵梨花さんが、イーデザイン損害保険株式会社の最新テクノロジーを活用してお客さまに新たな体験を提供する「共創する自動車保険 &e(アンディー)」(以下「&e」)のアンバサダーに就任した。

「事故のない世界」の実現に向けた「みなさんとの共創の輪」を広げるべく、アンバサダーである生田さん主演のTVCM「このゆび、とまれっ!宣言篇」、「安全運転プログラム篇」の2篇が2022年5月16日(月)より全国で放映開始されている。

生田さんの可愛らしさに目を奪われたのはもちろんだが、TVCMに登場し生田さんと共演したクルマにビックリ。「このゆび、とまれっ!宣言篇」では日産パオ。そして、「安全運転プログラム篇」では日産ラシーンと共演しているのだ。

そこで、生田さんと共演した日産パオとラシーンの車種解説と中古車事情について紹介したい。どうやらその価格が上昇中なのだ。

まずは日産パオから。日産パオは、1987年に発売したBe-1に続いて登場した日産の「パイクカー」シリーズの第2弾。 ちなみにパイクカーとは、少量生産を前提とした遊び心のある「尖った(鋭い)」感覚のクルマの総称だ。


●日産パオ

パオは1987年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展後、1989年1月に発売された。一般的なモデルとは異なり、3ヵ月間予約を受けた後に全数を生産・納車するという手法が採用され、総生産台数は3万台あまりに上っている。

パオのベース車両はBe-1同様、初代マーチだが、内外装ともに「冒険心」をテーマにしたレトロ調の内外装で大人気となった。車名の由来は中国語の包)パオ)で、モンゴルの遊牧民の「組立式家屋」を意味している。

パオに搭載されているエンジンは最高出力52ps、最大トルク75Nmを発生する1L直列4気筒。組み合わされるトランスミッションは5速MTと3速AT。駆動方式は2WD(FF)のみだ。

樹脂製パーツを多用し、車両重量は720~750kgと非常に軽い。ルーフは通常のルーフに加えて、キャンバストップモデルも用意している。

現在、パオの中古車は約50台流通していて、平均価格は約134.7万円。中古車の価格帯は約63万~約260万円で、レストア済車が多く流通している。2022年4月当時のパオの中古車の平均価格は約120万円だったので、約15万円も値上がりしている。

続いては、日産ラシーン。パオと同じパイクカーの流れを汲んだラシーンは、1994年~2000年に販売されたコンパクトSUV。1990年に登場したサニーをベースに、最低地上高170mmと若干ロードクリアランスを高めているのが特徴だ。


●日産ラシーン

名前の由来は羅針盤で、デビューから1997年のマイナーチェンジまでは、ドラえもんをキャラクターに採用、キャッチコピーは「新・ぼくたちのどこでもドア。RUN!RUN!ラシーン」だった。

ラシーンはデビュー当初、搭載エンジンは最高出力105psを発生する1.5L直列4気筒のみで、組み合わされるトランスミッションは5速MTと4速AT。駆動方式は全車ビスカスカップリングを採用したフルタイム4WDを採用していた。さらに一部グレードには背面タイヤを装着したグレードも設定し、タフギア感をアピールしている。

ラシーンは1997年1月にマイナーチェンジを行い、最高出力125psを発生する1.8Lエンジン搭載車を追加。さらに1998年には最高出力145psを発生する2Lエンジンを搭載し、ブリスターフェンダーを装着した3ナンバーボディのフォルザを追加している。トランスミッションは両エンジンとも4速ATのみで、駆動方式は4WDだが、2L車は高い走行性能を実現させるアテーサ4WDを採用していたのが特徴だ。

現在、ラシーンの中古車は約150台流通していて、平均価格は約90万円。中古車の価格帯は約23万~約229万円と新車時価格を上まわるプライスの中古車も存在している。3カ月前のラシーンの中古車の平均価格は約85万円だったので、こちらも5万円の値上がりを記録している。特に、TVCMが始まった5月からの値上がり幅が目立つ。

ココまで生田さんとTVCMで共演したパオとラシーンの中古車相場を紹介したが、パイクカー繋がりで、フィガロとBe-1の中古車相場も紹介しておきたい。

1991年2月に販売開始されたフィガロは、パイクカーシリーズの第3弾となるモデル。ピラー部分を残して、布製のルーフ部分だけが開閉する2ドアのオープンカーだ。


●日産フィガロ

搭載されるエンジンは最高出力76ps、最大トルク106Nmを発生する1L直列4気筒ターボで、3速ATが組み合わされている。フィガロはイギリスで爆発的な人気を誇り、じつは多くのクルマが海を渡っている。

現在、フィガロの中古車は約16台流通していて、平均価格は約213万円。中古車の価格帯は約164万~約598万円と高価格なレストア済車が流通している。3カ月前の平均価格は約183万円だったので、わずか3カ月で30万円も値上がりした。

続いては、初代日産マーチをベースとしたパイクカーの元祖、1987年に限定1万台で販売された日産Be-1だ。曲線を多用したデザインを実現させるために、ボディの様々な部分に新素材が使用されている。


●日産Be-1

通常のルーフに加えて、手軽にオープンエアを楽しめるキャンバストップ車も用意されていた。搭載するエンジンは最高出力52psを発生する1L直列4気筒自然吸気で、トランスミッションは5速MTと3速ATが組み合われていた。駆動方式はFF(2WD)のみとなっている。

現在、Be-1の中古車は約21台流通していて、平均価格は約119万円。中古車の価格帯は約78万~約363万円となっている。3カ月前の平均価格は約100万円だったので、19万円の値上がりを記録した。

スズキラパンがLCというレトロ系のモデルを発売したが、パオやフィガロのようなパイクカーは時代を超えて、人気をキープしているようだ。こういったクルマがTVCMに使用されると、人気が再燃することがあるので注意したい。

〈文=萩原文博〉

ドライバーWeb編集部

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