2022/01/21 ニュース

GR86にターボ装着で300馬力!老舗チューナー「トムス」の珠玉コンプリートカー3台に注目|東京オートサロン2022|

●専用開発のエアロパーツで空力もアップ

昨年スーパーGT・GT500クラスでシリーズチャンピオンに輝くなど、国内トップチームとしての実力を示したトヨタのオフィシャルチューナー、トムス。オートサロン2022では同社が長年レースで鍛え上げた「ヒト」「技術」「ノウハウ」を結集したコンプリートカー3台が発表された。

レーシングドライバー/オーナー双方の目線でGS Fを監修
TOM’S GS F produced by Kazuki Nakajima


●TOM’S Racingサスペンションキット、エンジンファインチューニングも設定する予定。カタログスペックは477馬力だが、500馬力にアップ。国産車では希少なV8・5L自然吸気のフィーリングを損なわないように、ECUの制御やビッグスロットルなど、さまざまな手法で検証している

レーシングドライバーとしてトムスに長年在籍した中嶋一貴氏。プライベートでもレクサスGS Fを数台乗り継ぐほど思い入れが深い。そこで、トムスと中島氏がGS Fのポテンシャルを引き出す究極のエアロダイナミクスパーツを共同開発。約1年かけてエアロのコンセプトやデザインを煮詰めた自信作だ。

残念ながらエアロ単体での販売は行っていない。というのも、トムスでは走行距離や事故歴の有無、内外装のヘタリ具合など、トムス基準で厳選した認定中古車をベースにトータルチューニングを施したコンプリートカー販売を行っていて、このエアロはコンプリートカーだけの専用アイテムなのだ。


●中嶋一貴氏入魂のエアロダイナミクス以外にも、アッパーパフォーマンスロッド、メンバーブレース、ロアボディブレースでシャシーまわりを補強。エキゾーストシステムやブレーキにも手が加えられ、車両トータルでポテンシャルを高めている。コンプリート価格は832万7000円~

エアロのコンセプトは「ミニマルデザイン」。GS Fの内に秘めたパフォーマンスの高さを静かに主張するように、ボトム部分がわずかにボリュームアップされている。エアロの構成はフロントディフューザー、サイドディフューザー、リヤアンダーディフューザー。いずれも下面をフラットボトム化することでフロア下の空気の流れを整え、高速域での操縦安定性を高めてくれる。


●GS Fの空力効果を説明するトムスの山内勇一氏。「フロントディフューザーはオイルクーラーへの導風性を考慮した形状になっています」


●リヤは4本テールのエキゾーストシステム「トムス・バレル」が目を引く。あえて色味の派手なチタンではなくステンレスにしたのは中島氏のこだわり


●純正ホイールに施されたセミマットのブラック塗装はオプションメニュー。ブレーキパッドは中嶋氏も愛用する、制動力を高めながらブレーキダストの排出量を抑えられるトムスのパフォーマを装着。ブレーキラインもトムス製

コンセプトは「ひとつ上のスポーツグレード」
TOM’S GR86 TURBO


●フロントディフューザー、フロントバンパーガーニッシュ、フロントノーズで強力なダウンフォースを生み出す

「クルマを、楽しむ」をテーマに開発されたGR86のターボ仕様。まず目を引くのがノーマル比でフロント片側33㎜、リヤが片側40㎜拡張されたワイドフェンダー。モチーフになったのはGR86のルーツになったレビン/トレノ。なかでもオーバーフェンダーが象徴的なTE27に強いインスピレーションを受けたという。RZグレードベースのノーマルボディターボ仕様は488万3000円~、ワイドボディ仕様は592万8000円~、ワイドボディターボ仕様は680万7000円~。どちらもSZグレードベース。


●リヤまわりはダックテール、リヤアンダーディフューザー、トムスを象徴する4本出しテールのエキゾーストで存在感をアピール


●ターボ化に際してのエピソードを語るトムスの桑原秀之さん。FA24型エンジンはトムス製ターボチャージャーを装着し、ノーマルの235馬力から300馬力にアップ。馬力もトルクも底上げしてコンセプトの「ひとつ上のスポーツグレード」を実現。アクセルコントロールのみで自在に挙動変化を楽しめそうだ。


●インタークーラーは前置き。水平対向エンジンのためにエキゾーストの熱対策を施しながら補器類や配管の取り回しを両立させるのが大変だった


●足まわり関係はスポーツサスペンションキット、19インチアルミホイール「TOM’S CROSS SPEED」、ブレーキキット、アッパーパフォーマンスロッド(フロント/リヤ)、サスペンションメンバーブレースを装着

スーパーGTのマシンを彷彿とさせる迫力ボディ
TOM’S SUPRA TOURER



トムスコンプリートのフラッグシップ「TOM’S SUPRA」のパワーやシャシー特性のセットアップを見直したグランドツーリング仕様。ドライカーボンのディフューザーや1950㎜のワイドボディで国産車の枠を超えたグラマラスなスタイリングを与え、最高出力は420馬力にパワーアップ。チューニング車特有のピーキーさを排除し、乗り手を疲れさせないパワー特性を実現。ボディブレースを見直すことでしなやかな乗り味になり、街乗りから長距離ドライブまで快適にこなせる「アーバン・ツアラー」へと進化した。




●オプションでブレンボ製BTSキット(フロント)や車高調整式サスペンション「KWバージョン3」、カーボン製内装パーツなどが選べる。車両価格は1166万円~

【すべての写真はこちらより】

〈文と写真=湯目由明〉

ドライバーWeb編集部

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