2022/01/06 コラム

スタッドレスタイヤは何シーズン使えるのか? 寿命を延ばす方法とは

●スタッドレスタイヤへの素朴な疑問

タイヤは走行距離、走行条件、保管場所によって耐久性が大きく変化する。これはサマータイヤもスタッドレスタイヤも同じことで、一般的なサマータイヤならスリップサインが出るまでは、ほぼ安定した性能が得られる。だが、スタッドレスタイヤの場合は違う。溝が十分に残っていても使えなくなることがある。例えば経年劣化によってタイヤの柔軟性が損なわれたり、トレッドのエッジ部分が著しく損傷すると急激に性能が低下することもある。

一般的には3〜5年ほどと言われているスタッドレスタイヤの寿命。場合によってはもっと短命なこともある。上手に保管して使用しても、スタッドレスタイヤとして認められなくなることがある…それは、タイヤの摩耗によってプラットフォームが現れたときだ。

プラットフォームとは、ブロック同士がつながる場所が設けられている突起。50%摩耗の目安を知らせる目印だ。スタッドレスタイヤは新品時から50%摩耗すると、氷雪路でのグリップ性能が大きく低下してしまう。


●写真上がプラットフォーム、下がスリップサイン

そもそも、なぜスタッドレスタイヤが雪道や氷結路でグリップするかといえば、低温時でも柔らかさを保つゴムが採用されていることに加えて、トレッドパターンに路面で雪が溶けた水を除去し、しっかりと雪や氷に覆われた路面をグリップさせる細かな切れ込み(サイプ)が入っているから。しかしトレッドパターンが摩耗すると、その切れ込みも浅くなる。これにより除水効果やグリップ力も下がってしまい、雪道でグリップしなくなる。前述のプラットフォームが出現、つまり50%摩耗した段階でスタッドレスタイヤとしての性能は限界を迎えたことになる。

また、たとえ溝がしっかり残っていても、トレッド部にひび割れがあったり、偏った摩耗が見られたりする場合は、安全面からもタイヤ交換が必要。偏摩耗はタイヤが路面と接する面積が減り、ブレーキ性能などを十分発揮できなくなってしまうからだ。また、ひび割れはタイヤのゴムが劣化したり内部のワイヤーが切れていたりする可能性も。バーストを起こして事故の原因にもなりうる。

タイヤの寿命を延ばす方法は、まず日常点検。乗車前に傷がないか確認すること、また空気圧や残り溝が不足していないか基本的な点検を実施すること。いち早く偏摩耗などを発見すれば、タイヤ位置交換を行うことでタイヤの寿命を延ばすことができる。空気圧点検は、月に1度は行いたい。空気が不足していると、タイヤは走行中に大きく変形しながら路面に押し付けられることで摩耗しやすくなり、やはり寿命が縮んでしまうからだ。

保管方法にも注目。タイヤはゴム製品だから、直射日光や雨が当たる場所に置いておくと劣化が進んでしまう。涼しく暗い場所でポリ袋などに入れて保管。できれば専用のタイヤカバーがあればさらに寿命を延ばせる。空気圧も、半分ほどに減らしておくのもポイントだ。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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