2022/01/04 コラム

間もなく発売!日産アリアの生産工場に潜入。栃木工場の「ニッサン インテリジェント ファクトリー」が最新鋭過ぎた!

●アリアは539万円からの設定

間もなく発売になる日産の新世代EV「アリア」。生産は日産の栃木工場で行われる。注目は、新しい生産ラインを導入したこと。その名も「ニッサン インテリジェント ファクトリー」。どんな工場なのか?



◇◇◇

日産は2021年10月8日、革新的な生産技術で次世代のクルマづくりを支え、カーボンニュートラルの実現に貢献する日産独自のクルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」を導入した栃木工場の生産ラインを報道陣に公開した。

栃木工場は栃木県河内郡上三川(かみのかわ)町の中心部に位置しており、田畑に囲まれ、緑の豊かな地域に立地。敷地面積は約293万平方メートル(約92万坪)で、東京ドーム約60個分の広大な敷地に、鋳造・車軸・車両工場を有する一貫生産工場と1周6.5㎞の高速耐久テストコースを持っている。ここで約5200人が働いている。

その歴史は1968年に鋳造工場が稼働したことに始まり、69年にアクスルの機械加工・組み立てを開始。71年には組立工場が完成し、セドリック/グロリア230型を皮切りに、高級車やスポーツカーを生産。2001年に車両生産工場が閉鎖された旧プリンスの村山工場の系譜も受け継ぎ、スカイラインを生産している。

今回、ニッサン インテリジェント ファクトリーを導入したのは、第2組立工場と第2塗装工場。ルノー・日産アライアンスの新世代エンジニアリング アーキテクチャー「CMF」を採用するモデルを専門に生産し、21年10月8日の段階では、新型クロスオーバーBEV(電気自動車)のアリアの試作車が生産ラインを流れていた。今後、同プラットフォームを採用するガソリン車やe-POWER車が投入された場合、その生産にも対応するという。ちなみに、第1組立工場/第1塗装工場は既存のFR車を生産しており、スカイラインのほか、シーマ、フーガ、GT-R、インフィニティQ60(スカイラインのクーペ版)などを組み立てている。新型フェアレディZもここで生産されるはずである。

日産がニッサン インテリジェント ファクトリーを導入したのは、生産を取り巻く環境が大きく変わりつつあるためである。従来は高品質で高効率な生産工程や匠の技によって、高精度なクルマづくりが求められてきた。しかしながら昨今は、労働集約型の生産からの脱却や、高齢者社会や深刻な人手不足への対応、気候変動やコロナ禍に象徴されるパンデミックへの対応が喫緊の課題となっている。また、クルマの電動化や知能化、コネクテッド技術などによって、クルマの機能や構造が複雑になってきている。

こうした環境の変化に対応して、
① 電動化技術やコネクテッド技術を搭載した次世代のクルマへの対応
② 匠の技を伝承したロボットによる最高品質の量産化
③ 人とロボットが共生する働きやすい職場
④ ゼロエミッションの生産システム
以上の4つの柱でクルマづくりを革新していくのがニッサン インテリジェント ファクトリーなのである。

ニッサン インテリジェント ファクトリーが他の工場と比べて、どんな点が進んでいるのか、その一例を紹介したい。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING