KINTOが既販車を最新化する新サービス「KINTO FACTORY」を2022年1月下旬に開始。まずはアクア、プリウス、アルファードなどから

トヨタ自動車とKINTOは2021年12月21日、ユーザーが保有するクルマを最新の状態に進化させる新たな取り組みを発表した。
 


昨今、先進安全装備などの技術的進化がめまぐるしく、ユーザーがクルマを購入したあとに、新たな装備が追加搭載されるなどで、比較的早い段階で最新仕様でなくなってしまい、クルマの価値の目減りしてしまう。また、クルマの保有年数も10年以上と長期化している。



このような状況を踏まえ、トヨタとKINTOが新たなサービスとして、購入後のクルマに、その後の技術革新に合わせてソフトウェア・ハードウェアの機能をタイムンリーに反映させることで、保有するクルマを最新の状態に「進化」させることを目的とした「KINTO FACTORY」を2022年1月下旬より開始する。
 
この取り組みでは、トヨタが最新の技術を開発、KINTOはその技術を「進化」としてユーザーに届けるプラットフォームの役割を受け持つ。
 


「KINTO FACTORY」は、既販車を進化させる「アップグレード」、「リフォーム」、「パーソナライズ」の3つのサービスを展開予定だ。
 
まず、クルマの基本性能を向上させる「アップグレード」について。これはユーザーが保有するクルマの基本性能などを向上させる安全機能などを後付けするもの。サービス開始時にはパーキングブレーキサポート（静止物）「インテリジェントクリアランスソナー」や、ブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラート、パワーバックドアのキックセンサーなどの後付けサービスを行い、技術革新に合わせて対応サービスの拡充を行っていく。
 
そして長年乗っているクルマで気になる、経年劣化で傷んだ内外装のリフレッシュやアイテムの交換などをする「リフォーム」。このサービスはシート表皮やクッション部を交換してリフレッシュできるサービスのほか、ステアリングホイールをウレタンから本革仕様へとアイテム交換することで満足感を高めるサービスとなっている。
 
上記のサービスはまず、以下の対象車をすでに購入しているユーザーを対象とスタート。
 
アクア
プリウス
プリウスα
アルファード
ヴェルファイア
レクサスUX
レクサスNX
 
対象となる年式はサービス開始時にKINTOの公式ウェブサイトに設置する「KINTO FACTORY」ページでアナウンスされる。また、この車種以外にも順次対象車種を拡大していく予定だ。
なお、車種により購入可能なメニューは異なる。
 


「KINTO FACTORY」ページ（サービス開始時に公開）
https://factory.kinto-jp.com/
 
今回の「アップグレード」、「リフォーム」の各サービスについては、いずれもメーカー保証が付く。
 
料金は現時点では非公表となっているが、およそ1万〜10万円のプランを展開する計画だという。
 
「アップグレード」、「リフォーム」の施工については、サービス開始時は以下の店舗限定での対応となり、順次拡大していく予定だ。
 
 
■トヨタのクルマ
・トヨタモビリティ東京
芝浦店、U-Car深川店、U-Car足立島根店
 
・トヨタユーゼック
カーロッツ浜松
 
■レクサスのクルマ
・トヨタモビリティ東京
レクサス荻窪、レクサス東京 ガレージ荻窪
 
なお、技術革新は日進月歩で進んでいくため、「KINTO FACTORY」のメニューは、1回ごとの購入の形式だけでなく、より継続的な利用を想定し、「サブスプリクション」形式での展開も視野に入れているという。
 
 
3つめとなる「パーソナライズ」については、ユーザーが運転する際のデータを基に一人ひとりに合わせてクルマの設定を最適化するサービス。これはクルマのサブスクとして展開中のKINTO ONEで取り扱う「GRヤリス モリゾウセレクション」で試行・計画中のものと同様の取り組み。できるだけ早くサービスを実現したい、とKINTOの小寺信也代表取締役社長も意気込みを語った。
 
「KINTO FACTORY」のサービスは、日本国内だけでなく、海外でも展開を検討していくと同氏。
 
新たなサービス「KINTO FACTORY」の発表に際し、「トヨタとKINTOが目指すのは、お客様にクルマをお届けして終わりではなく、お届けしたあとに、お客様＝『人』に寄り添ってクルマを『進化』させていくことにより、お客様がそのクルマをより深く愛していただけるようになる世界です。この実現に向けて、今後も取り組みを加速させていきます」
と結んだ。
 




〈文＝ドライバーWeb編集部〉