2021/10/22 コラム

【いすゞ117クーペ秘話】見た目は星3つなのに後期グレード名は星2つ!? 苦肉の策で生まれた「スターシリーズ」とは

●写真は117クーペ初期のハンドメイド仕様

■117クーペ後期に「☆☆」とのグレード名が



カーデザイン界の巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロによる美しいデザインにより「走る芸術品」と呼ばれる、いすゞ117クーペ。1968年12月に市販モデルが登場し、1981年まで約12年にわたって生産された高級スペシャルティ車である。初期モデルはボディパネルの製造など手作業の工程が多くあり、「ハンドメイド」車としても知られている。

そんな117クーペに1978年12月、「☆☆」という個性的なグレード名を持つモデルが登場した。1949㏄のG200型エンジンを搭載し、53年度排出ガス規制に適合したモデルだ。最上級グレードは「☆☆XE」で、ボディ後部に付けられているエンブレムは「☆☆117XE」である。当時のプレスリリースを見ると「スターシリーズ」と記載されており、☆☆は2つ星ながら「スター」と読むのが正解のようだ。今回は、当時を知るいすゞ関係者の方にうかがった「スターシリーズ」にまつわる秘話をご紹介したい。

【画像】☆☆となった117クーペ後期のカタログ

1968年12月の登場時、117クーペは1600㏄DOHCのG161W型エンジンを搭載していた。このG型はガソリンエンジンのイニシャルで、ベレット用に開発された小型軽量のエンジンシリーズがルーツになっている。もともとはOHVであったが、設計段階から高速化を意識しており、117クーペやベレットGTタイプRに搭載されたG161W型が生まれたのである。その後、117クーペでは1970年に1800㏄のG180S型を搭載、1973年には車体のプレス金型が追加され、量産化が図られたモデルにマイナーチェンジ。それを期にG180型系ユニットに統一された。

その後、排ガス規制への対応や商品性アップの観点から排気量を拡大することになり、117クーペの53年規制への適合のタイミングに合わせて、G系ユニットの2リッター化が計画された。Gシリーズエンジンとしての生産性を考慮して、ボア(内径)サイズの拡大で排気量アップを行うことになったが、シリンダーの変形や冷却への影響からボア間寸法は6㎜でギリギリ。このため、排気量は1949㏄止まりになった。

ドライバーWeb編集部