2021/09/30 ニュース

首都高ルーレット族を狙った最終兵器? 光電式の「人力オービス」とは

テレ朝ニュース、2021年9月27日の記事より

■ルーレット族に対する新たな取り締まり方法を考案



「最強の移動式オービス登場か?レーザーもレーダーも出さない光電管を用いた移動式オービス 光電管とカメラにより探知は不可能!」とは2020年9月25日、有限会社パソヤ(https://www.atpress.ne.jp/news/227615)のプレスリリースだ。「新たにレーザーもレーダーも出さない光電管を用いた移動式オービスが目撃されました」とある。

私は同年10月27日、「むむ?光電管式の移動式オービスの目撃情報をマニアックに検討してみたら…」との記事を書いた(https://driver-web.jp/articles/detail/38278)。要するに、「光電管式の移動式オービス」は首をかしげざるをえないが、しかし「380」という数字が気になる。速度取り締まりの業界で380といえば、日本無線の光電式測定機、JEM-380だ。どういうこと? 「結局はよくわからない」が私の結論だった。 ※ネットでは多くの方が光電式を光電管式と、可搬式を移動式と呼ぶようだ。

そうして2021年8月末、がーん、真相が判明した! こう見えて私もいろいろ忙しく、ここにこうして書くのが遅れた。申し訳ない。

私の愛読誌『月刊交通』(東京法令出版)の2021年8月号に、長いタイトルの記事を見つけた。「『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会』の開催を見据えた首都高速道路におけるルーレット族総合対策の推進」である。書き手は警視庁交通部交通執行係の暴走族対策室暴走族対策係だ。

まず、「ルーレット族とは」としてこう書かれていた。

「主に首都高速の都心環状線を過度の高速度で反復周回し、そのタイムや走行時の運転技術を競い合う者たちの総称であり、首都高速から出なければ料金が加算されない首都高速の料金システムに乗じて、パーキングエリア(以下「PA」という。)等でのい集や周回走行を繰り返し、深夜から早朝まで高速道路上に留まっている者たちである。」

毎年の「交通安全白書」では、取り締まりは悪質・危険・迷惑性の高い違反に重点をおくことになっている。ルーレット族こそまさにそれではないか。2021年9月27日、テレビ朝日も「大迷惑!深夜に爆音&暴走…首都高“ルーレット族”」と報じた(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000230078.html)。だが、取り締まるのはなかなか大変なのだそうだ。月刊交通8月号の記事にこうある。

「ルーレット族は、固定式オービスの設置場所を熟知しているほか、SNSによりリアルタイムで拡散された可搬式オービスの設置情報を入手して、警察による摘発を逃れていた。また、違反行為を現認しても、過度の高速度で走行する車両を安全に停止させることが難しく、その取締りは困難を極めた。」

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING