2021/09/27 コラム

可搬式オービスの取り締まり件数、福岡が突出して多い理由とは

●福岡県警の取り締まり方法はちょっと違う


■測定値を“作って”違反切符を…ではないといいのだが



思い出すのは2020年に発覚した北海道警察の「測定値ねつ造事件」だ。当時、大きく全国報道された。私は震撼し、「ベテラン警部補が速度データ偽造を繰り返して逮捕…レーザーパトカー「LSM-100」の実績を上げるため?」で詳述した(https://driver-web.jp/articles/detail/38245)。LSM-100は警察文書では「車載型」と呼ばれる。可搬式のLSM-300と同じくTKK製でレーザー式だ。

要するに、レーザー式のLSM-100はなかなかまともに測定できなかった。しかし警察庁または警察庁の意を酌んだ北海道警察の幹部が、レーザー式の実績を上げろと現場の尻を叩いた。警部補氏は、違反車両を見つけたが普通に測定できなかった場合に「違反自体は事実なのだから」と、テキトーに測定値をつくって違反切符を…そういうことと私は見た。だとすると、もしかして、いや、もしかして、ですよ、福岡県警はこんなことをやっているんじゃないか。

1、可搬式で違反車両を待ち伏せた。
2、目測で超過20キロ程度の違反車両が来たが、ちゃんと測定できなかった。
3、しかし停車させ、テキトーにつくった測定値(超過19キロとか)を押しつけた。

違反者としては、現場で制服警察官から突然に高圧的に迫られると屈服しやすい。超過20キロ程度で走った認識があれば、逆らう者はいないだろう。「早く反則金を払って忘れたい」、普通はそう思うだろう。

以上、ふり返れば2013年からずっと可搬式オービスに大注目、あれこれ調べてきた私の、調べてきたことに基づく、独自の想像、推測だ。もしも当たりなら、いずれ発覚し、全国報道されることになるだろう。そのとき、「じつはレーザー式の性能が…」とは絶対にメディアは触れないはず。現場の方々は、トカゲの尻尾切り、懲戒免職、退職金不支給なんてことにならないよう、今から備えておくべきではないかと。よけいなお世話ですね、すみません~!

〈文=今井亮一〉
肩書きは交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を好評発行中。

ドライバーWeb編集部

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