2021/09/27 コラム

可搬式オービスの取り締まり件数、福岡が突出して多い理由とは

●福岡県警の取り締まり方法はちょっと違う


■オービスなのに現場で違反切符を切る!?



首をかしげていたところ『月刊交通』(東京法令出版)の2021年7月号に驚きの記事を発見した。福岡県警本部の交通部交通指導課の職員氏による「可搬式速度違反自動取締装置の効果的な運用について」という記事である。ちなみに『月刊交通』はA5サイズで100ページちょい、表紙以外すべて白黒で、なんと税込み900円。めっちゃお高いマニア雑誌だ。記事にこんな部分があった。

「違反者は、原則、取締り実施警察署に呼び出します」

オービスは、現場では測定&撮影を行うだけ。後日、違反者を警察署等へ呼び出して違反切符を切る。ところが…。

「対象車両が二輪車である場合やコロナ禍で運転者がマスクを着用している場合は、追跡捜査が困難であるため、現場で告知するよう体制の確保に努めています」

「告知」とは違反切符を切ることだ。オービスにナンバーが写らないバイク、また違反者がマスク着用のクルマについては、あとから呼び出すのではなく、現場で停止させ違反切符を切るというのだ。つまり福岡県警は可搬式オービスを、いわゆるネズミ捕りの定置式測定機としても使っているんだね。さらに、こうも出てくる。

「呼び出しに応じない場合や、マスク着用及び二輪車等の運転者が違反現場で停止合図に従わず逃走した場合は、速度違反追跡捜査係が取締り実施警察署と連携し、徹底した追跡捜査及び裏付け捜査を行い、違反者を特定して検挙しています」

なるほど、それで福岡は可搬式の取り締まり件数が突出していたのか。納得、である。ただ、どうも気になる。福岡以外の取り締まり件数が少ないのは、バイクとマスク着用者がやたら多かったからであり、測定自体はちゃんと行えていたの?

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING