2021/09/24 ニュース

三菱ふそう、大型トラックに2つの安全装備を国内初搭載…交通事故のリスクを低減

アクティブサイドガード実験風景

三菱ふそうトラック・バスは、2021年6月4日に大型トラック「スーパーグレート」の一部改良モデルを発表、同月に発売した。今回、その新型車を取材する機会があったので紹介したい。



新型車は2つの商用車国内初となる安全機能を装備したことがポイントである。1つ目は車線内停止方式のドライバー異常時対応システム「エマージェンシー ストップ アシスト」で、2つ目は左折時の巻き込み事故の被害を軽減する被害軽減ブレーキを備えた「アクティブ サイドガード アシスト1.0」である。

■エマージェンシー ストップ アシストとは



大型トラック「スーパーグレート」には2019年に国内商用車メーカーとして自動運転レベル2(特定条件下での自動運転機能=この場合は車線を維持しながら前のクルマに付いて走る)の高度運転支援機能を初搭載した「アクティブ ドライブ アシスト」をオプション設定した。

これは、高精度のミリ波レーダー(車間距離を把握)と前方認識カメラ(車線を認識)からの情報を組み合わせて道路と車線の情報を分析し、車線維持制御を実現するもの。ドライバーがシステムに過度に頼っていないかをステアリングに手を添えているかどうかで検知(ハンズオン検知システム)し、30秒以上の手放しで警報を発し、60秒以上の手放しで機能を停止する。

今回の一部改良では、「アクティブ ドライブ アシスト」をさらに進化させた「アクティブ ドライブ アシスト2」に発展。新機能である「エマージェンシー ストップ アシスト」を加えた点がポイントである。これは、車線維持機能の動作中にステアリングから手を離したままの状態が60秒間継続すると、ドライバーが安全に運転操作を継続できないとシステムが判断し、車両を同一車線内に維持しながら減速して車両を停車させるという機能。例えば、ドライバーが体調の急変などで運転ができなくなった場合などに作動し、交通事故のリスクを低減させる。

◎エマージェンシー ストップ アシスト作動の流れ
・ステアリングから手を離して15秒後……メーター内にあるモニターで警告(表示が黄色で、音による警告はなし)
・30〜50秒後……5秒ごとに音による警告を行う(モニター表示は赤色)
・55〜59秒後……1秒ごとに音による警告を行う(モニター表示は赤色)。ハザードランプの点滅が始まる。
・60秒後……ステアリング操作が検知されるまで、より大きな音が連続して発せられ警告(モニター表示は赤色)を行う。同時に外部に異常を知らせるためにストップランプ/ヘッドランプが点灯し、ホーンが鳴る。特にホーンは盛大に鳴るから、何らかの異常があることはわかるはずだ。なお、制御の中止、作動の解除はインパネにあるレーンキープカットスイッチを押す。

「エマージェンシー ストップ アシスト」の機能は「アクティブ ドライブ アシスト2」に含まれており、「アクティブ ドライブ アシスト2」は全車に約20〜30万円(グレードによって異なる)のオプションとして設定される。

ドライバーWeb編集部

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