2021/08/19 新車

【航続距離780km!】メルセデス・ベンツの最高峰EV「EQS」に乗ってわかった、驚愕の内容とは!?

●メルセデス・ベンツ EQS 450+


あのSクラスより静か


今回は2022年秋に日本導入予定の後輪駆動モデル、「EQS 450+」をメインに試乗したのだが、まさにラグジュアリーサルーンと呼ぶに相応しい上質な走りが堪能できた。

伝統のコラム式シフトセレクターをDレンジに入れてアクセルペダルを踏み込むと、高級車らしくジワッと、それでいてスゥーっと軽くクルマが転がり出す。低速域では毛足の長い絨毯のように極めて優しい乗り心地で、ステアリングフィールも軽くビロードのような滑らかさ。これぞメルセデスの最高級モデルといった運転感覚が味わえる。ホイールベースは長いが、後輪が最大10度(標準仕様は4.5度だが、購入後でもOTA※で10度に変更可)切れるリヤアクスルステアリングのおかげで、取りまわしはまったく苦にならない。
※Over The Air=無線通信

アウトバーンではとてもフラットな乗り心地で直進性は抜群。優れた空力性能が風切り音を低減し、静粛性はSクラス以上と感じた。その分、ブルメスター サラウンドサウンドシステムのクオリティの高さを、かつてないほど楽しむことができた。これを目当てにEQSを選ぶ人がいてもまったく不思議ではないと思えるほどだ。

EQS

ワインディングロードでは、後輪駆動モデルらしくスッキリとしたステアリングフィールを感じながら、車重が2480kgもあるクルマとはおよそ思えないパワフルで軽快な走りが楽しめる。ハンドリングはさすがにややゆったりだが、一貫して弱アンダーステアなので、正確に狙った走行ラインをトレースできる。

走行モードをスポーツにすると、標準装備のエアサスペンション「AIRMATIC」に組み合わされるADS+ダンパーが引き締まり、電気モーターやリダクションギア、デフをひとまとめにした、リヤアクスルに備わる電動パワートレイン「eATS」が、333馬力/568Nmをフルに発揮しダイナミックな加速を披露。シフトパドルで3段階に調整出来る回生ブレーキを駆使すれば、スポーティな走りも楽しめた。

2日間、約400kmを試乗して、EQSは「最善か無か」というメルセデスの哲学を体現した、極めて完成度の高いラグジュアリーBEVだと感じた。テスラはもちろん、電動化を進めている世界の自動車メーカーは、その出来映えに驚くはずだ。

<文=竹花寿実>



■450+欧州仕様(後輪駆動・ー) 
主要諸元
【寸法・重量】
全長:5216mm
全幅:1926mm
全高:1512mm
ホイールベース:3210mm
車両重量:2480kg

【モーター・性能】
種類:永久励起同期電動機 
最高出力:245kW(333ps) 
最大トルク:400Nm(40.8kgm) 
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン 
駆動用バッテリー電力量:107.8kWh 
一充電走行可能距離(WLTP基準):780km  
最小回転半径:6.0m 
乗車定員:5人 

【諸装置】
サスペンション:前後マルチリンク 
ブレーキ:前後Vディスク 
タイヤ:前後265/40R21


ドライバーWeb編集部・青山

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