2021/08/19 新車

【航続距離780km!】メルセデス・ベンツの最高峰EV「EQS」に乗ってわかった、驚愕の内容とは!?

●メルセデス・ベンツ EQS 450+


電動化、そしてBEV(電気自動車)を積極的に展開しているメルセデス・ベンツ。ついにフラッグシップBEVのEQSが本国でアンベールされ、欧州で試乗の機会が設けられた。ドイツ車に精通する、元ドイツ在住の国際モータージャーナリスト竹花寿実が、スイスの山岳地帯をドライブして感じたものとは?

今までのBEVとは完全別モノ


メルセデス・ベンツは、ヨーロッパの一部の国でワクチン接種がある程度進み、新型コロナウイルスの感染状況が改善したことを受け、ついに国際取材イベントを解禁。7月に第1弾としてスイス・チューリッヒで新型バッテリーEVであるEQSの国際試乗会を開催した。

EQS

【画像ギャラリー】インパネの大部分を占める巨大スクリーンに驚き! メルセデス・ベンツ EQS(全16点)

EQSは、メルセデスの電動化モデルに特化したサブブランド「EQ」におけるSクラスに相当する最上級ラグジュアリーサルーン。これまでにもEQCやEQA、EQB(日本未導入)といったBEVをリリースしているが、これらとEQSの間には、大きな違いがある。

それは、「ICE(エンジン)搭載モデルとプラットフォームを共用していないEV」である点だ。EQSは、「MB・EA」と呼ばれる新開発の電気自動車向けモジュラーアーキテクチャーを初めて採用したモデルなのである。

EQS

「V297」のコードネームを持つEQSは、BEV専用プラットフォームを使用することから、現時点でもっとも理想的なBEVを目指して開発されたことがわかる。ICE車ベースのBEVも、EQCなどに乗ってみるともちろん悪くはないのだが、パッケージングや衝突安全性、車両重量、エアロダイナミクスなどさまざまな面で妥協しなければならない部分が出てくる。BEVにはBEVの理想の設計手法があり、メルセデスはEQSでそれを追求したのだ。


インパネ一面スクリーン!

結果、EQSは3210mmという長いホイールベースの間に107.8kWhもの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。車両重量は約2.5トンに抑え、Cd値は量産車過去最高の0.20を実現。WLTPで最大780kmもの航続距離を達成したのである。780kmというと、東京から西方向なら広島県まで行ける距離だ。

EQS

チューリッヒで話を聞いたエアロダイナミクス担当エンジニアによれば、航続距離の拡大はもっとも重要なミッションだったそうだ。軽量化とドラッグ低減は必須で、そのためにもBEV専用プラットフォームは欠かせなかったという。

こうして生み出されたEQSは、見た目からとても個性的だ。「ワン・ボウ(ひと張りの弓)」と呼ばれるモノフォルムのファストバックデザインは、5ドアボディという点も含めてラグジュアリーカーとしては異質だが、実車は大型なボディサイズもあってかなり重厚感がある。

インテリアは、Sクラスと呼ぶにふさわしい高級な仕立て。シートはSクラスよりサイドサポートが小さめで、座面も若干小ぶりな印象だが、座り心地はとても上質。ヘッドレストにはフワフワなクッションも付いている。後席は十分に広いが、ホイールベースがSクラスロング並みに長いわりにはそれほどでもない。

開放感は抜群だ。長いフロントウインドーとメルセデス初の片側5枚のサイドウインドー、パノラミックスライディングルーフ(オプション)のおかげで室内はとても明るく、良好な視界を実現。この点ではSクラスより上かもしれない。

EQS

もっとも目を引くのはインパネ全体に広がる巨大スクリーンだ。これは「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれる最新世代のインフォテインメントシステムで、ドライバー正面の12.3インチTFTディスプレイと、中央の17.7インチOLED(有機EL)タッチディスプレイ、助手席正面の12.3インチOLEDタッチディスプレイを1枚のゴリラガラスで覆って一体化させたものだ。

MBUXのシステム自体も、AIによる高度な学習機能により、必要な機能が必要な時に表示される「ゼロレイヤー」を実現。完全に無階層ではないが、中央のディスプレイに必要に応じて各機能が必要なときに表示されるので、とても直感的に使える。運転中でも操作に迷うことがなく、もちろん「ハイ、メルセデス」の一声で起動する会話形式の操作も優秀。現時点で世界最高のインフォテインメントと言っていい。

ドライバーWeb編集部・青山