2021/07/28 ニュース

「EVタイプRやります!」三部新社長が語ったホンダの未来

●ホンダの新社長、三部敏宏氏


電動化時代のタイプR、そしてもっと身近な高性能車の存在



「それだけだと他の自動車会社と一緒なので、その開発も厳しいんですけど、やはり電動化時代の“タイプR”みたいなものは一応、考えてます。過去にNSXベースの4モーターEVをお見せしたことがありますが、もうちょっと普通の人が乗ってファンなものは出来ないか考えて、私が研究所に居たときから開発は進めていて、どこかで出そうと思っています。まだ研究中で、全然量産計画に乗っているわけではないですけれども」

電動タイプR! 電気モーターならではの制御性のよさを生かして、異次元のハンドリング性能を実現するスポーツモデルとなるだろうか。NSXでスーパーハンドリングSH-AWDを実現したホンダだけに、そこには“らしさ”も宿るように思える。

しかも、もっと身近なものとして考えているようだという発言にも注目したい。そこには現行NSXへの反省もあるのだというが、今のホンダのラインナップを見ていると、その重要度はさらに増してくる気がする。何しろスポーツモデルのラインナップを見ると、すでにS660は生産終了が決定し、NSXの未来も明るくはない。フィットRSすら存在しないのだ。

シビック タイプRに次期型があることは宣言されたが、今のシビック タイプRは高性能を追い過ぎて、誰もが手に入れられるクルマではなくなってしまっている。もっと若いユーザーが、あるいは家族持ちが、大人が、などいずれも当てはまるのだが、とにかくもっと手軽に、気軽に、楽しめるクルマがホンダには必要だろう。

あるいは、それは電動化の前、ここ数年の間の話でもいい。このままではホンダのスポーツ心に惚れ込むファン、居なくなってしまう。

「まったく仰るとおりで、商品ラインナップに今、問題があることは素直に認めて、見直しはしていきます。何を打ち出すというのは言えませんし、開発に時間がかかるんで、すぐにとは言えませんが、例えばちょっと頑張れば買えるようなスポーツカーとかね、そういうのも、八郷(前社長)の時代からずっと研究はしていたのに出るに至らなかった。でも、そういうのは要るよねと。いきなりEVに飛ぶのではなく、まだそこまで行くのに10数年ありますので、コンベンショナルな技術でも、やっていきたいと考えています。肩の力を抜いてベーシックでありながら高性能な車みたいなのをね、考えてます」

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING