2021/08/01 コラム

2020年度のJNCAPファイブスター大賞受賞車 レヴォーグが受け継ぐ「スバルの安全」

安全に対して人一倍力を入れているスバル。2020年度の自動車アセスメント(JNCAP)では、衝突安全/予防安全性能の両方で最高得点を獲得。自動車安全性能2020ファイブスター大賞を受賞した。「安全と愉しさ」……試験の様子とともに開発陣の熱い思いに耳を傾けてみようと思う。

 
SUBARU_SAFETY
レヴォーグ開発責任者
商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャー
五島 賢氏
●写真は64km/hでのオフセット衝突テスト後。じつは後席に乗せたダミー人形の1体は、後席シートベルトをしていない。スバルがシートベルトの大事さを伝えるため、“シートベルト未装着”の恐ろしさを周知させたくて、あえて行ったテストだ

 

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SUBARU LEVORG



スバルは安全から始まった

2020年度の自動車アセスメント(JNCAP)で、レヴォーグが衝突安全と予防安全性能の両方で最高得点を獲得した。これまでもスバルはJNCAPで輝かしい成績を残してきたが、2代目となるレヴォーグは「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を受賞。総合的な安全性がもっとも高い(190点中186.91点)クルマとして認められた。

こうしたスバルの安全性に対する姿勢は、国民車として開発されたスバル360の時代から一貫している。第二次世界大戦時の富士重工業は戦闘機などの航空機を製造し、優れた技術力と豊富なノウハウを持っていた。戦後、GHQ(連合国最高司令官総司令部)によって航空機製造を禁止されたが、その技術力を生かして自動車の製造に本格的に参入したことはご存じのとおり。

当時はシャシー技術も発展途上。クルマは、フレームの上にボディをマウントするというのが一般的な製造方法だった。しかし、スバルは航空機製造のノウハウを生かし、スバル360をフルモノコック構造で造ることに成功。また、エンジンとトランスミッションをリヤに搭載するRRレイアウトによって、広い室内の実現とともに駆動輪につねに荷重をかけることができた。悪路が多かった当時は、このすばらしいトラクション性能に注目が集まった。またこの時代から実車を使った衝突安全を行い、乗員の安全性も追求していた。


 
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安全思想の原点「スバル360」
航空機開発をルーツとするスバルが最初に造ったクルマが1958年デビューのスバル360だ。安全が今ほど叫ばれていなかった当時から、全方位の衝突安全性を独自テスト。その後、水平対向エンジン+シンメトリカルAWDをコアとする走行時の安全、またアイサイトに代表される先進安全などたゆまぬ技術開発がレヴォーグに詰まっている。


ドライバーWeb編集部

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