2021/07/29 カー用品

ヨコハマの新作スタッドレスタイヤ「アイスガード7」が見た目以上に進化…冬の道で“安心できる”をリアルに実感!

「日本の冬道をより安心して走りたい人へ」をうたい文句に登場したヨコハマの最新スタッドレスタイヤ『アイスガード7』。「安心」を科学的に分析し、スタッドレスタイヤの性能に落とし込んでいるのがこのタイヤの特長だ。

YH_ICEGUARD7

「安心」を性能に落とし込むためにヨコハマタイヤが行ったのは、相反すると言われる氷上性能と雪上性能の両立。トレッドデザインにおけるエッジ量とグリップ性能の関係を分析すると、氷上性能は、あるところまでエッジ量を増やしていくと性能が上がり、それを超えると性能は落ち込んでいく。一方、雪上性能は溝・サイプのエッジ性能が多くなるほど性能は向上する。

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氷上性能を最大化した新トレッドパターン

ヨコハマタイヤでは、氷上性能で最大となる溝・サイプエッジ量でトレッドデザインを設計した新トレッドパターンを、アイスガード7に採用した。

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●左が従来型のアイスガード6、右が新作のアイスガード7

発想としてはリブデザイン(縦溝主体のデザイン)を基本に接地面積を稼ぎながら、要所に横溝を配置することでエッジ量を確保するというもの。その結果、アイスガード6と比べて接地面積約3%増、ブロック剛性約5%増、エッジ量30%増を実現している。

コンパウンドも進化している。ウルトラ吸水ゴムと名付けられたアイスガード7専用コンパウンドは、殻付きの気泡である「新マイクロ吸水バルーン」に加え、エボ吸水ホワイトゲルに代る新素材で吸水性能・低温での柔軟性に優れる「吸水スーパーゲル」を採用することで吸水性能を向上。さらにマイクロエッジスティックによってひっかき性能もプラスしている。

従来から採用されているシリカの分散性をよくする「ホワイトポリマーS」や、ゴムの劣化を抑制する「オレンジオイルS」の効果で氷路面との密着性を高めている。

 
というのが、アイスガード7のおもな進化ポイントだ。事前に行われた試乗会では、これらほとんどの技術が伏せられたままだったため、トレッドデザインを見た第一印象は、「キープコンセプトの正常進化かな……」というものだった。ところがいざ走り出してみると、その進化っぷりが尋常ではなかったのだ!

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氷上で不安を感じさせないグリップ感を発揮

特に氷盤路では、ブレーキ時の減速感が明らかに違う。控えめに言ってグイグイ止まる感じ。停止後の発進も、さほどアクセル操作を気遣う必要もないほどイージーに走り出せる。氷盤路でのレーンチェンジも、アイスガード6と比べ手応えが明らかに違う。

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氷とタイヤの間にあるはずの水分量が明らかに少なく、ゴムが氷の分子に密着しているような感触がある。そのため、滑る不安感が少なく安心感が高いのだ。

トレッドデザインが作り出す接地面積の広さとエッジの多さ、それにコンパウンドの吸水性能とグリップ性能が絶妙なバランスで機能している、そんな感覚がある。

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雪上では“手の内感”のあるインフォーメーション性

雪はどうか。冒頭で、“氷上性能と雪上性能は相反、あるいは両立しにくいと言われている”と述べた。ボクもそう考えているので、正直なところそれほど雪の性能には期待していなかった……。なので「現状維持でも十分だろう」くらいに考えていたのだが、これがいいのだ。

30%増量のエッジが機能しているからなのか、走り出した瞬間から路面の様子が手に取るようにわかるのだ。「グリップする」、「グリップが弱い」、「滑る」という路面の様子を不思議なくらい感じ取れる。もともとヨコハマのスタッドレスタイヤは、このようなインフォメーション性に優れていたので、試乗する前、現状維持なら十分納得…と考えていたのだが、その想像を軽く超えていた。

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グリップの強さからくる安心感はもちろんのこと、タイヤが滑り出してもエッジが引っかかってくれたり、コンパウンドが雪の路面に擦れて(こすれて)くれるような摩擦感が抜けないので、クルマがとめどなく滑って行ってしまうような不安感がない。

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ハイレベルな「安心」性能を造り込んだ

もちろんこれは雪上だけでなく氷上でも同様のこと。
絶対的なグリップ性能の高さや性能アップはもちろん期待したいところだが、それ以上に大切なのが不安を感じないこと≒安心して走れること。アイスガード7は、氷雪上グリップという基本性能を高めたうえで、「安心」という性能を造り込んでいた。

 
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〈文=斎藤 聡〉


ドライバーWeb編集部

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