2021/07/16 ニュース

配送ルートをAIが自動作成…三菱ふそうが新システムの販売を開始

●自動生成されたルートはドライバーのスマホなどに送られる

次世代の配送はAIが自動的にルートを作成!



三菱ふそうトラック・バスは2021年7月15日、AI(人工知能)と機械学習を活用した次世代の配送計画ソフトウェアを開発するアメリカのワイズ・システムズ社と業務提携した。三菱ふそうは同社の日本国内のパートナーとして、次世代配送計画システムの「ワイズ・システムズ」の販売を2021年第4四半期から開始する。

eコマースの拡大などにより宅配などの「ラスト1マイル配送(顧客にもっとも近い物流拠点から顧客まで物流における最後の行程)」の物流が増えているなか、近距離輸送業務の効率化を目指して開発されたのが、AIを活用した配送計画システム「ワイズ・システムズ」である。

これまでは配送業者のベテランの運行管理者が、手作業で配送計画を立てていたが、新しいシステムでは、道路交通情報や車両・ドライバーの空き状況、過去のデータ、配達の時間帯、荷物の積載量の情報から、自動で配送ルートやスケジュールを作成。知識や経験のみに頼らない最適な配送計画を短時間で作成することができる。



その計画は、各ドライバーの端末(スマートフォン)に配信。ナビゲーションアプリと連携し、最適なルートどおりに配送を行うことで時間のロスや無駄な燃料消費を減らす(CO2排出量の削減)ことができる。また、急な変更が発生した場合でも、柔軟に対応でき、指示が端末に表示されるのでスムーズだ(従来はおもに電話連絡)。運行管理者はすべての行程がリアルタイムで可視化されているから、把握がしやすい。荷物を受け取る側も、配送状況がリアルタイムで把握でき、到着予定時間も受取日にあらかじめ把握できる。



このシステムは、AIと機械学習によって車両のオペレーションに関するリアルタイムのデータを継続的に学習することで、より性能アップを果たしていくのが特徴。ワイズ・システムズ社が7年間培ってきたノウハウをベースに、各社にごとに最適な運行計画を自動作成する。アメリカのユーザーでは、平均で走行距離を15%削減、稼働率を20%向上し、配送遅延を最大で80%解消した実績があるという。なお、運行効率化はドライバー不足へのソリューションの1つとしても貢献している。

配送計画システム「ワイズ・システムズ」は、三菱ふそうの車両以外でも使用することができ、初期導入費用はトレーニングを含めて100万円以下、ドライバー1人あたり月額5000円以下になるとのこと。物流の縁の下の力持ちとしてAIが活用されるのも時代を反映している。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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