2021/07/16 コラム

オービス定期点検のデータを改ざん…裁判で明らかになった「まさか」

●この裁判のオービスかどうか定かではないが、その時期その付近にあったオービスⅢLkだ。2つの車線を狙って2台を並べるとは。撮影はオービスマニアの礼田計氏


定期点検の結果は改ざんオーケー…それって大丈夫なの?



ここからわかるのは、定期点検の結果に原因不明の誤りが起こり得ること、起こっても一覧表は改ざんオッケーであることだ。大変なことが法廷でバレてしまった。なのになぜヘラヘラ笑っていられるのか。何があっても裁判官は有罪にしてくれるから、有罪は揺らがないから、じゃないかな。2007年7月10日(火)、第4回公判。判決が言い渡された。

裁判官「主文。被告人を罰金10万円に処する。その罰金を完納できないときは金5千円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する」

超過60キロ台は罰金9万円、70キロ台は10万円。首都高速のスピード違反の量刑の、ばりばり鉄板相場だ。

「日本の優秀な警察が長年にわたり速度取り締まりに使い続け、日本の優秀な検察と先輩裁判官だちが有罪にし続けてきたオービスなのだから、完璧に決まっている。誤測定などあり得ない」というところで裁判官の脳みそはガッチリ固まってしまっているようだと、傍聴席からは見えてくる。テレビや新聞には絶対に出ず、ネット民も知らず、埋もれ去ったであろうことを、ずがーんと目撃する、裁判傍聴の醍醐味だと思う。

やがて東京簡裁のオービス裁判は激減した。今井が目障りで公判請求(正式な裁判への起訴)をしにくくなった? そ、そんなあ(笑)。オービスの取り締まり自体が減ったり、検察、裁判所からすれば非常に手間のかかる裁判員裁判がスタートしたり(全国第1号の裁判は2009年8月、東京地裁)、いろんな事情が重なったのだろう。

2013年、警察庁は可搬式オービスの導入へ動きだした。2019年1月から2020年にかけて私は9回、さいたま地裁へ通った。世界的企業・Sensys Gatso Group(SGG)の固定式オービス(心臓部は可搬式と同じ)の、本邦初の否認裁判があったのだ。その超高性能ぶりに私は腰を抜かしたね。さすが、世界70カ国以上に累計約5万台を販売したというだけある。狭い日本国の中だけで、優しい裁判所に守られぬくぬくと育った国産オービスとは格が違うわ!との印象を強く受けた。

そして2021年、TKKの可搬式オービスの否認裁判が東京地裁の法廷へ出てきた! 私がどんだけ興奮したか、もうたいへんっ(笑)。すでに第2回公判まで傍聴した。あとでレポートしよう!

〈文=今井亮一〉                            
交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から交通以外の裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を好評発行中。

ドライバーWeb編集部