2021/07/01 ニュース

足元もタフ&高機能!エヴァンゲリオン「特務機関NERV」仕様の三菱自動車PHEVに選ばれたタイヤとは

特務機関NERV災害対策車両とは



「予想されうるサードインパクトを未然に防ぐ、そのためのNERV〈ネルフ〉と、エヴァンゲリオンなのよ。」(『新世紀エヴァンゲリオン』第七話より)。アニメ作品のなかのセリフが現実世界と融合するプロジェクトをご存知だろうか。


●ゲヒルンの皆さんを交え、取材会が行われた

特務機関NERVを運営するゲヒルンと三菱自動車は、災害による長期停電や通信網途絶に備え、「防災情報配信サービスの継続」と「近隣自治体への支援」を目的とした特務機関NERV災害対策車両を共同製作。被災各地への出動、災害対策本部や避難所への支援活動を実施。この活動は、2019年に概要を発表、今年で3年目を迎える。

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現在は、初号機の流れを引き継ぐ2号機「アウトランダーPHEV」、そして6月3日には3号機として「エクリプス クロスPHEV」を追加。計2台が稼働している。

災害対策車両のタイヤにはトーヨータイヤの2銘柄が選ばれた



まず注目したのは、この2台が履いているタイヤだ。いずれもトーヨータイヤで、アウトランダーPHEVは「オープンカントリーR/T」、エクリプス クロスPHEVは「セルシアス」を装着している。



なぜこの2銘柄を選んだのか? ゲヒルンの石森大貴 代表取締役にお話を伺うと、「2号機では、ラフロードに強いタイヤを選択しました。災害地には土砂があったり、がれ場など普通のタイヤでは頼りない場面に遭遇します。そんな場所でも安心して走行、現場に駆けつけられる頼りがいのあるタイヤだなと思っています」。


●トーヨータイヤの「オープンカントリーR/T」

オープンカントリーとは、北米で地位を築いてきたトーヨータイヤのSUVタイヤブランドだ。オフロード/オンロード向けと走行シーンによってチョイスできる4つのタイヤを用意。もっともオフロードに強いタイヤはオープンカントリーM/Tで、オープンカントリーR/T、オープンカントリーA/Tプラス、オープンカントリーU/Tの順にオンロード向けになっていく。


●ゴツゴツした見た目だが、オンロードでの乗り味も快適

オープンカントリーR/Tの「R/T」とは「ラギットテレイン」の略。もっともオフロードに強い「M/T(マッドテレイン)」とオンロードでも快適な「A/T(オールテレイン)」の両方の特徴を備えている。見た目はゴツゴツ系で排土性などが考慮されており、いかにオフロードに強そうだが、実際に試乗してみるとオンロードでも快適。一部サイズにはホワイトレターも採用するなど、機能を有したドレスアップが可能で、昨今人気の高いSUVにぴったりなタイヤだ。


●トーヨータイヤのオールシーズンタイヤ「セルシアス」

そして3号機に履かせた「セルシアス」。石森 代表取締役は「これはオールシーズンタイヤです。災害はいつ起こるかわかりません。突然の雪が降ってきてしまい、活動できなくなってしまっては意味がありません。そんな状況に対応するためのオールシーズンタイヤです。またこのタイヤは雨にも強く、過酷な環境に対応できると思って選択しました」。

トーヨータイヤのオールシーズンタイヤ「セルシアス」は、突然の降雪時にも対応するトレッドパターンを採用。タイヤのコンパウンドも低温時に硬くなりにくいため雪上でも意外なほど走れてしまう。


●細かいサイプがオールシーズンタイヤの証。雪上でも確かなグリップ力を発揮

そして最大の特徴は、非対称パターンの採用だ。現在、オールシーズンタイヤの主流は左右対称の方向性パターンだが、セルシアスはタイヤのイン・アウト側で役割分担。イン側はスノー路面のグリップ力を高め、アウト側はドライ路面での走行安定性を確保している。非対称パターンということは、回転方向を変えてタイヤローテーションが可能。結果、偏摩耗も抑制できるわけだ。じつはオールシーズンタイヤ、摩耗するとノイズが気になってくるのだが、その点でもセルシアスの非対称パターンは有利である。

三菱PHEVが選ばれた理由は「給電システム」の違い



また、なぜ災害対策車両として三菱車を選んだのか?「まずは四駆の性能ですね。どこへでも行けそう。そして被災地では、電力の確保が重要です。その点でPHEVは給電が可能ですし、動く電力源として優秀です」とは石森 代表取締役。続けて、「他社さんでもPHEVをラインアップしていますが、給電システムに違いがあります。三菱のPHEVの場合、バッテリーが空になってもエンジンが自動的に稼働して発電、ガソリンがある限り給電が行えます。一方、他社さんのPHEVはいったん電力供給が終わってしまい、再度システムを起動するにはエンジンをかけてやるなどの作業が必要になります。災害地で電力がいったんでも落ちてしまうと、いろいろと不都合が出てくる可能性もあります」とのことだ。



例えば、災害対策車両に積み込まれている準天頂衛星みちびきを利用した安否確認サービス「Q-ANPI」端末。内閣府順天衛星システム戦略室から提供されたものだが、携帯電話の電波などが届かない場所でも、衛星を使ってさまざまな情報を被災地から届けることが可能である。しかし、これも電気がなければ動かない。三菱のPHEVシステムは、安定的に給電するうえでも長けているというわけ。


●荷室は被災地にいつでも迎えるよう、「防災糧食」などの装備が満載だ


●準天頂衛星みちびき「Q-ANPI」端末

じつは石森 代表取締役、上記の給電システムの違いを調べ、「よし三菱車にしよう」と決断してから普通に三菱自動車の販売店に向かい、購入するつもりで見積もりを取った。しかし、「これは三菱自動車に相談すれば車両を提供してくれるかも?」と三菱自動車に相談。石森 代表取締役の活動に三菱自動車側も共感し、協力関係を結ぶことに至ったわけだ。

そして災害対策車両として重要な足元、タイヤについてもトーヨータイヤ側が供給。石森 代表取締役の要望を受け、トーヨータイヤとの協議の結果、被災地でも活動可能な、タフかつ高機能なタイヤがチョイスされた。



こうして整備された「特務機関NERV災害対策車両」は、東京都公安委員会から緊急通行車両等事前届出済証の交付を受けている。災害対策基本法による交通規制が実施された場合、迅速に通行許可標章の交付を受け、規制区間を通行できるクルマだ。

備えあれば憂いなし。いつ起こるかわからない災害に備えるべく、ゲヒルンでは日々、これら災害対策車両とともに防災訓練を行っている。


●ゲヒルンの石森大貴 代表取締役。その走りに惚れ、災害対策車両とは別に「エクリプスクロスPHEV」を愛車として迎えた

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部