2021/06/26 コラム

警官「携帯で通話、見たぞ違反だ!」運転者「耳かいてました」で処分取り消し。レアな”逆転裁判”はなぜ起きた

●さいたま地裁でおきた逆転裁判!?

交通違反の処分が取り消されたレアケース



交通取り締まりを受けて違反切符を切られると、違反点数が登録される。 ※減点でも加点でもなく登録です(https://driver-web.jp/articles/detail/38611/2/1/1)。

点数の登録により不利益な処分を、例えば免許停止処分とか受けると、処分を取り消してくれと裁判所に求めることができる。その裁判も私はたくさん傍聴してきた。そこで見えてくるのは「警察無謬の原則」だ。運転者の側はまず勝てない。だが! 何年も前にさいたま地裁で1件だけ、非常に珍しい裁判を傍聴したことがある。ご報告しよう。

原告席には、ロン毛を後ろで縛ってラフな服装の男性(40歳)が1人いた。代理人弁護士なしの本人訴訟だ。訴えは要するに「無実の携帯電話使用違反で点数(1点)を登録され、免許更新でゴールド免許となるはずが3年免許の交付処分を受けた。処分を取り消してゴールド免許を交付せよ」というものだ。刑事処分のほうはとっくに不起訴になっていた。

被告は、実質は警察だが裁判上は埼玉県、代表者兼処分庁は公安委員会という形になる。被告席には、その代理人が5人座っていた。座りきれず傍聴席にあふれた公務員っぽい人が10人。みな被告の指定代理人だ。県庁および県警の訟務担当職員だろう。素人(しろうと)1人を総勢15人で押しつぶそうとするかのごとき布陣ではないか。私はぞくぞくしたね。 ※刑事裁判は検察官vs被告人、民事裁判は原告vs被告なのだが、メディアは必ず刑事裁判の被告人も「被告」とする。

ドライバーWeb編集部