2021/06/20 コラム

日産オーラにはなぜ「ノート」の冠が? ”分離”まで視野に入れた思い入れたっぷりの車名

●左がノート、右がノートオーラ

クルマにおいてもっとも大切なのは、そのものの善し悪し。だが、販売するうえでそれ以上に大切といえるのが車名である。車名はユーザーとクルマを結びつける最初の接点であり、まず車名を覚えてもらわないことには販売にもつながらない。だから、特に新しい車名の場合、認知度を上げるために自動車メーカーは億単位のお金をかけて、CMなどの宣伝・広告を行っているという。

今回の新型車「ノート オーラ」も「オーラ(AURA)」という新たな車名(サブネーム)を導入。この車名には、じつはハンパではないほど力が入っている。



ノートオーラは、コンパクトカーの「ノート」に対して、内外装や装備内容、さらにエンジンで発電してモーターにより駆動する「e-POWER」のモーターの出力を向上させるなど、上級に仕立てたモデルである。ノートは2020年11月24日に発表(発売は12月23日)、ノートオーラは約半年遅れの2021年6月15日に発表(発売は21年秋)となったが、両車は同時に企画し、並行開発を行っている。

ノートはコンパクトカーを望む層に最適なクルマとして開発。一方でノートオーラは、今までにないプレミアムなコンパクト車として、これまでの上級車ユーザーにも満足してもらえるようなクルマを目指した。日産いわく、まったく別のクルマとして、モノづくりにチャレンジしてきたという。「ノートとノートオーラはまったく別のコンセプトなので、マーケティング戦略としても別名の新ブランド(=オーラ)でコミュニケーションを図るということを念頭に置いて企画・開発を進めてきました」(日産自動車 日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャー 丸地隆史氏)。

ノートオーラは、ダウンサイザー層に訴求するクルマとして開発したが、従来のティーダやノートメダリストのユーザーも吸引する役割を果たしている。過去に使用した車名を再登板させる手法も業界では度々見かけるが、その点に関しては「前述のとおり、まったく別のクルマとして新しいプレミアムコンパクトという提案をしたかったこともあり、過去に使用した名称は検討しなかった(丸地氏)」とのことである。

ドライバーWeb編集部

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