2021/06/12 コラム

【どっちなの?】オービスの光は「赤」なのか「白」なのか

●「赤」のほうが多いイメージがあるが

オービスの光は赤い、白い、いろいろ言われているようだ。いったいどうなっているのか。しっかり整理しておこう。

■従来の固定式オービス…「赤い」のにも理由がある?



名著『警察の盗撮・監視術』(浜島望・技術と人間)によれば、自動速度違反取締装置(自速機)が日本の道路に初めて登場したのは1976年。装置は東京航空計器(TKK)のオービスⅢ(スリー)だった。その後、三菱電機と松下通信工業が算入。両社の自速機の名称はRS-701やVT-1510などだった。ややこしい。運転者たちは、すべての自速機を「オービス」と呼ぶようになった。特定の商品名が同種商品の総称になったわけだ。

それら固定式のオービスのストロボ光は、すべて赤色だ。なぜ? 警察発表はないが、私のほうでは2つの理由があるのだろうと考えている。ひとつは、オービスの目的がタテマエ上は速度抑止だということ。赤いストロボ光を浴びせて「あっ、オービスにやられた!」と気づかせるのである。気づかずカッ飛ばし続け、事故っては困る。

もうひとつは、違反処理をスムーズにするためかと思われる。オービス自体は現場では測定と撮影を自動的に行なうだけ。写真に映ったナンバーをもとに、あとで違反者を警察へ呼び出し、違反キップを切る。その際、「オービス? 知らねーよ。何キロ出してたか? 分かんねーし」とかゴネられるとめんどうだ。写真がある以上、ゴネても逃げられないが、警察としてはめんどうを避けたい。取り締まりは効率が大事なのだ。そこで、いつどこで撮影されたか記憶に残るよう、目立つ赤色にしているのではないか。



●オービスⅢLkの外観と、取扱説明書の表紙とその中身の一部。ストロボ光は「濃赤色」とある

ドライバーWeb編集部

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