2021/05/26 コラム

歩行者が譲ってくれたから横断歩道を通過…これも違反なの?|交通違反グレーゾーン|

●横断歩行者から譲ってもらえた場合はどうなる?

歩行者が譲ってくれたから通過した…のも違反になる?



「横断中の歩行者がいたので、横断歩道の手前で停止した。すると歩行者が、こっちを先に行かせようとしてか、足を止めた。だから私は横断歩道を通過した…そういうのも歩行者妨害の違反になるのか?」

「歩行者さん、お先にどうぞ」と運転者がジェスチャーし、歩行者は軽く会釈して横断する。ありがちなシーンだが、そういうのも違反になるのか。ここで出てくるのが道路交通法第38条第1項、以下の画像だ。


●「e-Gov(イーガブ)」の法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/)からダウンロードした道路交通法より、第38条第1項のスクリーンショット

長くてややこしい条文である。前段と後段に分けて考えよう。前段は要するに、横断歩道に接近するときは、横断しようとする歩行者等がないことが明らかな場合を除き、横断歩道の直前で停止できるような速度で接近せよ、というものだ。

例えば横断歩道の手前に駐停車違反のトラックがいて見通しが悪い場合は、「横断しようとする歩行者等がないことが明らかな場合」に当たらない。よって直前で停止できるような速度にまで減速する義務があるのだ。

後段は、前方の横断歩道を横断中の歩行者、または横断しようとする歩行者がいるときは、「当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」というものだ。

ならば、ちゃんと一時停止して歩行者の横断を待ったのに、歩行者のほうがこっちを先に行かせようとしてか足を止めた、そういうのは歩行者の通行を妨げたことになるのか。アウトかセーフか。

ドライバーWeb編集部

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